私の人生初のアルバイトは、大学生になってからでした。初めてのアルバイトは、分からないこと、知らないことだらけの日々でした。不器用で要領もよくない私が、アルバイトリーダーになるまでの成長を紹介します。(もぐ太郎=大学3年)

「いらっしゃいませ」が言えなくて

アルバイト先は、高校生のときから1人でも通うほどだったステーキチェーン店です。

大学に進学したばかりで、新しい環境に適合するのに必死の毎日。そんな中で、経験したことのない接客や料理の提供を行うというのは、本当に自分にできるのか。「不安」でいっぱいの日々でした。

最初は「いらっしゃいませ」が恥ずかしくて、大きな声で言うことができませんでした。いろいろなお客さまがいる中で、臨機応変な対応も難しいものでした。一つ一つの作業も効率が悪く、時間がかかってしまいました。

仕事中に使用しているメモ帳。最初のうちは効率よく動けなかった

先輩の言葉で火が着いた

先輩に相談すると、「アルバイトには適性がある」と言われました。負けず嫌いの私は、ここから「自分がどうしたら成長できるのか」を考え抜きました。これが私の成長のきっかけです。

考えた結果、大きな声での接客や効率の良い作業を行っていて、今よりも成長できそうなアルバイトに変えることで自信がつくのではないかと、思い切ってバイト先を変えることを決意しました。

そこで見つけたのが、うどんチェーン店です。必死にメニューを覚えることから始まり、どのようにしたら効率よく正確に提供できるのか、簡単な作業から常々考え続けました。

半年でバイトリーダーに

次第に自信を持ちはじめ、恥ずかしくて言えなかった「いらっしゃいませ」も元気よく発することができ、常連のお客さまとの会話も楽しめるようになったのです。このようなことが評価され、私は半年でアルバイトリーダーを務めることになりました。

今ではステーキチェーン店のアルバイトにも復帰し、掛け持ちをしています。学んだ知識と経験を思う存分発揮することができ、後輩の指導に当たるようにもなり、ここでもアルバイトリーダーをさせていただいています。

大学生の「しょせん」アルバイトが、「されど」アルバイトと思えたとき、自分に不足する技術や、知らなかった経験を獲得できるチャンスを見つけられるのではないでしょうか。お金を稼ぎながら、自分の成長も楽しむことができる、これは大学生のうちに経験しておくべき貴重な時間だと思います。