地方の高校生の大学進学を応援する東京大学の学生団体「FairWind」に所属する小西友貴さん(理科二類1年、福岡県立東筑高校出身)から高校生への、「得意科目をもつメリット」についてのアドバイスを紹介します。

数学→物理→化学 「好き」が広げられた理由は

突然ですが、得意科目を作った方が良いとよく言いますよね。どういうメリットがあるのかについて私の経験を踏まえて書きたいと思います。

こんなモチベーションで勉強した人もいるんだなぁ程度に読んでもらえると幸いです。

先に断っておきますが、私の体験談は、現在受験生の方にはあんまり参考にならない話かもしれません。

さて、私は高1のとき数学が好きで、教科書レベルを数Ⅲまでひたすら進めていました。

ところが、高校数学の場合、一通り終えると、いわゆる受験テクニック的なものを最小限学ぶ段階に入ります。

問題を解くことによって、教科書の理解が深まることはありますが、個人的にあんまり面白さを感じることができませんでした。

そんな中、高2になって物理が始まると、学習した数学の一部が物理に適応でき、物理は科目上、現実世界とマッチしていることも興味を持つ理由となり、高2では物理ばかりしていました。

そして、物理が分かってくると、イオン化エネルギーや熱力学などの化学にも通じる内容があり、それをもとにして化学の勉強が捗りました。

科目内の分野間の繋がりはもちろんですが、科目を超えた関連性がわかってくると面白いものです。

自分語りをしましたが、得意科目が1つできるとその科目を起点に好きな科目が広がっていきます。

私は理系科目で受験しましたが、古典や社会でも同じようなことが当てはまると思います。

ここで伝えたいのは、興味がある科目があれば、(他の科目はそこそこにしておいて)気が済むまで勉強して見てください。

その科目を突き詰めても良いですし、興味に応じて他教科に移るのも1つの手です。

好きな科目がない人はどうすればよい?

次に、現段階で特に好きな科目がないという方に向けて書きたいと思います。

私の体験とは異なりますが、英語に多く時間を割くことをお勧めします。

理由は2つあります。

まず、多くの学校で一番早く高校範囲の学習が終わるのが、英語だからです。

範囲が具体的に全てわかっている状態であれば、比較的取り組みやすいはずです。

次に、当然のことですが、有用性があまりにも大きいということです。

大学に入れば改めてよく分かりますが、最先端の学問は全て英語で行われています。

また、留学をはじめとした課外活動においても、語学力をクリアしているとその幅が大きく広がります。

世界共通語を使いこなせるメリットは想像以上のものがあると思います。(書いてる本人は喋れません)

これまで、いろいろ書いてきましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

どの大学も科目ごとに基準点は設けていないので、多くの科目数をバランスよくではなく、”偏食”で乗り切るのも少し考慮してみては、いかがでしょうか。

【FairWind】東京大学の学生がつくる団体。地方と都会の教育格差の解消をめざして、東大生と地方の高校生との交流などの活動をしている。