全国選抜高校テニス(団体戦)2回戦でプレーする清水さん(写真提供・山村学園高校)

高校入学後に大きく成長

3月に行われた全国選抜高校テニス大会の女子個人戦で、山村学園高校の清水映里さん(3年)が2連覇を果たした。昨年の大会を制した「女王」として迎えた今大会。周囲の期待やプレッシャーがかかる中で連覇を達成し、「今年の方がうれしい!」と破顔した。

小学1年生から近所のスクールでテニスを始め、4年生からはグリーンテニスプラザ(埼玉県川口市)で研さんを積んだ。ただ、中学時代の最高成績は全国ベスト8。「勉強もしたかったし、部活でもテニスがしたかった」と山村学園高校に進学すると、戦術面を深く考えてプレーするようになった。また、上半身の筋力トレーニングに励むようになり、サーブの精度、スピードが上がった。

高校1年時はライバルの松田美咲さん(浦和学院高校3年)に7連敗。だが一昨年の秋、新人戦の団体で初勝利。「応援のおかげもあって、やっと勝つことができました。そこからだんだん大きな大会でも勝てるようになりました」。顧問の吉村悟志先生は「中学時代から光る一面を持っていましたが、メンタルが成長しました。団体戦を通して、負けたくないという気持ちが強くなりました」と目を細めた。

他大会でも優勝を狙う

清水さんは現在、プロになるか、大学に進学するか悩んでいる。「実力的にまだまだの面もありますが、最終的には自分で判断したい。まずは今年の大会でしっかり結果を出したいです」と、目の前の大会に集中する。現在の目標は、全国高校総体(インターハイ)の優勝、そして最後の出場となる全日本ジュニア選手権(18歳以下)優勝だ。

昨年は予選敗退した全米オープン(ジュニアの部)の出場も決まっている。2020年の東京五輪への出場も視野に入れている清水さんは、世界に羽ばたくことができるか。

(斉藤健仁)

技術、思考力、精神力の向上で飛躍的に成長した清水さん(斉藤健仁撮影)

プロフィル●しみず・えり 1998年5月28日生まれ、東京都出身。足立第四中卒。高校1年時はインターハイでベスト16、高校選抜大会で優勝。高校2年時はインターハイでベスト8、高校選抜大会で連覇を達成(すべてシングルス)。AAAの與真司郎のファンで、AAAの曲を聴いてから試合に臨む。161センチ、55キロ。