クリスマスパーティやバーベキューなど部員みんなで楽しめるイベントが多い。「楽しむときは楽しみ、練習が始まるとスイッチが入ります」(山下さん)

去年の秋の新人戦では、団体戦で県ベスト16を勝ち取った坂戸高校女子テニス部。「強くなりたい」という思いから、ときにはぶつかり合いながら日々成長している。(文・写真 野口涼)

勝ちたい気持ち、高まる

もともと「基本を大切に、大人になってもテニスが楽しめるように」(顧問の醍醐裕史先生)という方針だったが、昨年の新人戦以来、部員たちの「勝ちたい」という気持ちが強くなった。2年生の阿部紗也香さんも「みんなモチベーションが高いです。私も尊敬する3年生に追いつきたいし、追い越したい!」と意気込む。

部長の山下まきさん(3年)には2年生の時、ダブルスを組む渡部麻衣さん(3年)と険悪な関係になった経験がある。「お互いのミスが許せず、ある試合に負けたことをきっかけに話をしなくなりました」

「このままではいけない」と考えた山下さんは、大事な試合の前日、これまでの思いを渡部さんにぶつけた。渡部さんは「あの時とことん話したことで、わかり合うことができました」と振り返る。

いまは衝突しても、素直に気持ちを伝えられる。「コートの中で頼れる唯一の味方。一緒に成長したいです」(山下さん)

まもなく3年生にとっては最後の大会を迎える。部員同士が切磋琢磨しながら、上を目指していく。

エンド・チェンジ(コートの交替)の際、次のゲームの作戦を練る山下さん(左)と渡部さん(右)