第25回参議院議員選挙は7月21日、投開票された。結果のポイントを5つの数字を中心に解説する。

「全124議席」を各党が争った

国会は衆議院と参議院から成るが、今回行われたのは参議院議員を選ぶ選挙だ。参議院議員は任期が6年で、3年ごとに半数の議員が改選、つまり入れ替わる。今回も半数にあたる124議席をめぐり各党が争った。選挙は、「選挙区」(改選74人)と「比例代表」(同50人)の2つの方式で行われた。

参院選の開票状況を伝える新聞各紙の7月22日朝刊

与党は「71議席」を獲得

安倍晋三首相の政権を支える与党である自民党と公明党をあわせて71議席を獲得した。改選前(77議席)より減らしたが、改選議席の過半数にあたる63議席を上回り、今後も安定して政権を運営できる議席を得た。内訳は次の通り。

自由民主党…57議席を獲得し、改選前より減らしたが、各党の中で最も多くの議席を獲得した。

公明党…14議席を獲得した。改選前より増やし、3年前と並び、同党として参院選では最多の議席を獲得した。

野党などは「53議席」を獲得

安倍政権に挑む野党と無所属の獲得議席などをあわせて53議席だった。

立憲民主党…初の参院選で17議席を獲得し、改選前より大きく増やした。

日本維新の会…10議席を獲得し、改選前より増やした。

日本共産党…7議席を獲得した。

国民民主党…6議席を獲得した。

れいわ新選組…参院選を前に結成され、2議席を獲得した。

社会民主党…1議席を獲得した。

NHKから国民を守る党…1議席を獲得した。

このほか無所属の候補が9議席を獲得した。

「改憲勢力」3分の2に達せず…の意味は

今回の参院選には、憲法改正に前向きな勢力が、今回改選されない議員とあわせて、参議院全体の「3分の2」に達するかどうかも注目された。安倍首相が憲法改正に意欲を示すが、改正には衆議院、参議院の3分の2以上の議員が賛成したうえで、国民投票で過半数が賛成しなければならないためだ。

結果は、政権与党の自民・公明両党と、憲法改正に積極的とされる日本維新の会をあわせた獲得議席は81議席で、改選されなかった議席(79議席)とあわせても160議席で、参議院の3分の2(164議席)には達しなかった。ただ、わずかな差ではり、また与党内、野党内それぞれ憲法に関する考えには幅があるため「改憲勢力」は変動する可能性もある。今後も「3分の2」が注目されそうだ。

「投票率は48.8%」、戦後2番目の低さ

参院選の投票率は48,80%だった。戦後の国政選挙では2番目に低い数値となってしまった。投票日当日に都合がつかない人が前日までに投票する「期日前投票」は1706万2771人で、参院選では過去最多だった。期日前投票が多かったものの、当日の投票が少なかった。