第25回参議院議員選挙の投開票が7月21日に行われる。2016年から選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられたことで、高校3年生の一部は投票できるようになり、ほかの高校生も18歳になれば選挙権を得ることになる。初めての選挙でどうやって投票先を決めればよいか、不安な人もいるだろう。選挙の仕組みの基本をQ&A形式でまとめた。(2019年7月19日、記事を更新しました)

Q なぜ選挙権年齢が引き下げられたの?

直接のきっかけは、憲法改正の方法を定める「国民投票法」が2014年に改正され、改憲の賛否を問う投票年齢を「18歳以上」に引き下げると決まったこと。それと合わせて、選挙権年齢が見直された。若い世代に、未来の日本の在り方を決める政治に参加してほしいという意図がある。海外を見れば、大半の国が選挙権年齢を18歳以上としており、その流れに沿うものといえる。

Q 何歳から投票できるの?

有権者になれるのは、投票日の翌日までに18歳の誕生日を迎える人だ。

Q 参院選はどういう仕組み?

国会は衆議院と参議院から成るが、そのうち2019年7月に行われるのは、参議院議員を選ぶ選挙だ。参議院議員は、任期が6年で、3年ごとに半数を改選する選挙が行われる。2016年、19年、22年といった具合だ。今回は「選挙区」(改選74人)と「比例代表」(同50人)の2つの方式で合計124人の議員を選ぶ。

選挙区は、都道府県単位(「鳥取・島根」「徳島・高知」は2県で1つの選挙区)で、有権者は立候補者1人の名前を書いて投票する。選挙区ごとの人口に対応して定数(当選する人数)が決まっており、2人以上が当選する選挙区もある。

比例代表は、全国を1つの選挙区として行われるが、投票用紙には候補者名か政党名のどちらかを書く。政党ごとの得票数(政党名と個人名の合計)に基づき、各党の当選人数が決まり、原則としてその党の中の得票数の多い候補者から当選する。

したがって、投票所では選挙区と比例代表のそれぞれの投票をすることになる。候補者名を記入するか、政党を記入するか間違いないようにしたいがあまり不安に思わなくていい。投票台には、候補者名や政党名の一覧が張られているので、投票したい政党や候補者の名前の漢字を忘れてしまっていても大丈夫だ。

Q 衆院選はどういう仕組み?

衆議院議員を選ぶ総選挙は、任期満了(4年)による場合と、解散によって行われるものに分けられる。定員465人を小選挙区(289人)と比例代表(176人)の2つの方法で選ぶのが特徴だ。

小選挙区は、全国を289に分けた選挙区ごとに1人の候補者を選ぶ。有権者は、投票用紙に候補者の名前を1人だけ記入する。各選挙区から最も得票が多い1人が当選する。

比例代表は、全国を11に分けた選挙区ごとに、政党を選ぶ選挙だ。有権者は、投票用紙に政党の名称を1つだけ記入する。選挙区ごとに定員が決まっており、各政党の得票数に応じた人数が当選する。

Q 投票はいつできるの?

原則、投票日の朝7時から夜8時まで。当日に予定があって投票できない場合は、「期日前投票」の制度を利用しよう。公示日(選挙期日の告知日)の翌日から投票日の前日までの間、朝8時30分から夜8時まで投票ができる。投票所によっては、期間や時間が異なる場合がある。

Q 投票の注意点は?

自宅に「投票所入場整理券」が郵送されるので、整理券を持って投票所に行こう。ただし、忘れても、学生証などで身分を証明できれば、手続きを経て投票できる。投票所に行けば係の人が順序を案内してくれるので、不安に思わずに足を運んで大丈夫だ。

投票用紙に2人以上の候補者名、関係ない記号(☆など)、メッセージを書くと無効になってしまう。少し文字を間違えても有効になる場合もあるが、投票台にある一覧を見て、間違えずに書くのが望ましい。

Q 情報はどう集めればいい?

選挙期間には、政党や候補者の情報が公表される。政党や候補者の政策が記載された「選挙公報」が自宅に届く。投票所の入り口にも選挙公報が置かれている場合が多い。テレビやラジオでは、候補者などが意見を話す「政見放送」があるので、できれば視聴するとよい。候補者名や政党名と「政権放送」と入力して検索すると、動画サイトで視聴できる場合もある。

政党や候補者の多くがウェブサイトを開設するほか、SNSで発信する候補者も多いので、確認してみるのもよい。新聞やインターネットのニュースサイトでは、政党ごと、候補者ごとに、同じ質問に回答した記事が出る場合があるので、自分の選挙区名と「候補者アンケート」などと入力して検索して確認してみるといい。

自分の選挙区で誰が有力なのかを知りたい場合は、インターネットで、自分の選挙区名と「情勢調査」と入力して検索すると、報道機関が実施している調査の結果、誰が当選しそうで、誰が当落線上で競っているのかなどがわかる場合もある。投票の参考にしてもよいだろう。

ただし、こうした情報収集はできる範囲でやればいい。大人たちも限られた時間の中で、できる範囲の情報で投票先を決めている人が多いものだ。

Q 投票先はどう決めればいいの

学校のテストと違って、投票先には決まった正解があるわけではない。大人たちも、自分なりの価値観や大事にしたいことにしたがって投票先を決めている。身近な大人にどうやって投票先を決めてきたか聞いてみるのもよいだろう。ただし、最後は誰にも気をつかうことなく、自分自身の考えで投票を決めていい。投票先は人に話してもいいし、自分だけの秘密にしても構わない。

すべての政策に共感できる党や候補者はなかなか現れないだろうし、政策の分野によっては自分にはよくわからないこともあるだろう。選挙公報をみたり、候補者のSNSやホームページをみて、部分的に好感をもてたり、共感できる党や候補者を選ぶのでも構わない。

自分の選挙区で当選した議員や、投票した党が、国会でどのような活動をするのか、選挙が終わった後も気にし続けると、次回の選挙で投票先を決める参考になるだろう。

Q 気をつけることは?

18歳以上の有権者であれば、選挙運動が認められる。具体的には、知人に投票依頼をしたり、ツイッターやフェイスブックなどのSNSを使って支持する候補者のメッセージを広めたりすることができる。選挙運動の様子を動画サイトへ投稿してもよい。

一方、18歳未満の人はこうした選挙運動をすることは禁止されている。SNSで選挙運動のメッセージをリツイート・シェアすることも違法なので、注意すること。大人から頼まれてもしてはいけない。

18歳以上でもできないことはある。電子メールを利用した選挙運動は、候補者・政党などに限られ、転送も禁止されている。「食事をごちそうする」といった見返りに、特定の候補者への投票を呼び掛ける行為は禁止。買収罪に当たり罰せられる。

参考資料:総務省・文部科学省『私たちが拓く日本の未来』

 

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