教員は忙しい、大変だといわれるが、本当だろうか? 教員の仕事内容について、東京学芸大学副学長の佐々木幸寿教授に聞いた。(安永美穂)

Q.教員の仕事には大変そうなイメージがあり、自分に務まるのか不安です…。

 

A.自分の仕事をコントロールする意識を持てば、家庭との両立も十分に可能

土日も部活指導のために出勤する働き方などを指して「教員はブラックな仕事だ」と言われることがありますが、部活指導に関しては複数の教員で分担したり、外部から指導者を迎えたりして、教員1人あたりの負担を減らすように配慮している学校も多くあります。

現在は、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、図書館司書、部活動指導員、地域の方々などと連携しながら学校を運営していく「チームとしての学校」の考え方が広まりつつあり、教員だけで全ての仕事をこなさなければならないわけではありません。

公立の学校の教員であれば公務員としての身分や給与が保障されますし、産休や育休を取得した後もキャリアを積み重ねて管理職を目指すことが可能です。「周りの先生が残業しているから自分も残業しなければ」と考えるのではなく、自主的に新しいことを勉強する時間を作るなど、専門職としてのスキルを磨くために自分の仕事をコントロールするという意識を持てば、教員は家庭と両立しながら続けられる仕事だと言えるでしょう。

 

佐々木幸寿教授 (東京学芸大学副学長)

ささき・こうじゅ 水沢高校(岩手)卒業。東北大学経済学部卒業。東北大学大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。専攻は学校法学、教育行政学。岩手県内の公立高校で地歴・公民を教え、野球部の監督を務める。岩手県教育委員会に勤務した後、信州大学にて准教授、東京学芸大学にて准教授・教授を経て現職。