NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの携帯電話大手が「2年縛り」「4年縛り」と呼ばれるスマートフォンの契約方式を見直すと表明した。総務省と公正取引委員会が「独占禁止法上の問題となる可能性がある」と指摘したことを受けて大手3社が足並みをそろえた形で、来年春ごろに実施される見通しという。

乗り換えが困難と批判

通信費や端末代の割引と引き換えに一定期間の契約継続を事実上強いる料金プランに対しては、他社への乗り換えが困難になっているという批判があった。今回の見直しで利用者が携帯会社を選びやすくなる効果が期待できる半面、端末購入の負担が増す恐れや解約に必要な違約金など、実際に利便性が高まるかどうか不透明だ。

大手3社はシェアを激しく争う一方、既存の業界秩序が損なわれることへの警戒感も強い。さらに、2019年には楽天が「第4の携帯会社」として参入するため、既存の顧客を確保しておきたいという思惑も各社に共通する。

料金見直し、これまでも

行政主導による料金見直しはこれまでにも繰り返されてきた。総務省は「実質0円」をうたった携帯端末の値引きが通信料の値上がりにつながっているとして、16年に過剰な安売りを規制。各社は見直しには応じたが、利用者をつなぎ留めるために「4年縛り」を新たに設定し、抜本的な改革にはつながらなかった。