高校生に知ってほしい、正しい勉強方法の基本について、家庭教師や塾経営を経て参考書などを多数執筆している船登惟希さんに教えてもらった。

大学入試では全体の学力レベルが上がる

高校受験をした人は、自分の高校の偏差値がだいたいどれくらいかわかりますよね。大学入試でも、志望大学に入れるかどうかは偏差値を参考にして考えます。しかし、高校受験時の偏差値は一回忘れましょう。たとえば、偏差値60の高校に入った人は、「大学も偏差値60くらいのところには入れるかな」と考えてしまいがちですが、それは違います。原理的に、高校入試時の偏差値マイナス5~10程度が、大学入試の模試などの偏差値になると考えてください。偏差値60の高校に入った人でも、偏差値50程度になる場合があるということ。驚きですよね。

その理由は、大学入試では母体となる全体の学力レベルが上がるから。中学時代に模試を受験する母集団の中には大学に進学しない人も含まれます。一方、高校時代に模試を受験するのは大学進学をする人が母体となるため、中学のときと同じようにやっていたのでは、偏差値は「原理的に」下がってしまうのです。

船登惟希(ふなと・よしあき) 東京大学理学部化学科卒業。学習参考書などを多数執筆。著書に「高校一冊目の参考書」(KADOKAWA)など。
 
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