彦根城を巡る酒井君(本人提供)

全国各地の城を訪れ、現在約130城を巡りました。中学生から城郭の研究を始め、高校入学後は「城好き高校生」としてSNSで情報発信したり、城郭の研究会で講演したり、若狭国吉城歴史資料館(福井県美浜町)の宣伝担当に就任したりするなど、城の見方や面白さを広めています。

名古屋城の石垣に魅了

城を好きになったのは、小学5年生の時。社会の授業で織田信長を詳しく学んで興味を持ち、信長の関係する城跡を巡りました。その一つで、戦国時代に尾張国にあった那古野城は、徳川幕府の名古屋城の二の丸に、石碑のみあるだけで遺構はありません。「これのどこが城なんだ」と思いながら、名古屋城も見学しました。

そこで一番目に入ったのは石垣(高石垣)です。「どのようにして高く石を積んだのだろう」と考えているうちに、城の世界に入り込んでいきました。

城は美しいだけではない軍事的施設

私が思う城の魅力の一つは「城が軍事的施設であること」です。現在と異なり、戦国時代はそう簡単に城に入れません。出入り口に見えても、入ると三方から敵に攻撃される構造になっていることもあります。このように、城はただ単に美しいだけではありません。軍事的であることを考えながら訪れると城のことがよく分かります。

ほかにも、戦国時代を生きた侍たちの思いを城から感じ取れたり、城を知ればその地域の歴史や文化も分かったりすることなど、城には魅力がたくさんあります。

行きは攻め手、帰りは守り手の気持ちで見学

城と言えば、「天守閣」をイメージしがちですが、天守閣のない城(石垣だけの城、山奥に残る土造りの城など)もあり、さまざまな城跡があります。全国各地で同じ城跡は存在しないので、その一つ一つの城の違いを考えるととても面白いです。

皆さんが通っている学校の周辺にきっと城跡があると思います。城に行く時は「攻め手の気持ち」で、帰る時は「守り手の気持ち」になって城を見学すると、城巡りが何倍も面白くなります。「ここで敵にやられる」「ここで敵を迎え撃つ」などを想像してみてください。

 

さかい・だいな 城好き高校生としてSNSや城跡などで活動し、城の見方、面白さを広めている。城郭談話会、若狭国吉城歴史資料館宣伝担当、城攻め隊隊長、彦根城友の会 会員、講座講師などを担当。