ベルギーに魅せられたという渡辺さん(手前、本人提供)

「ベルギーに来ないか」。それは父からの突然の提案でした。「もちろん」と即答しました。3月から4月にかけて、父のベルギー出張に一緒についていき、会社で職業体験をするという貴重な経験ができました。

夢を語れる雰囲気に感動

「夢は何?」。皆さんはこの質問にどう答えるでしょうか。「海のそばに大きな人気レストランを建てることさ」と、父の友人である50代のベルギー人男性は答え、私は驚きました。日本では年齢を気にせずに夢を語れる人に出会うことがなかったからです。

ベルギーでは、午後4時から5時に町中の店や会社が閉まります。そもそも残業するという概念がないのかもしれません。人々は心に余裕を持ち、スポーツや趣味、旅行を楽しんでいます。この心の余裕こそが夢を堂々と語れることの源だと思います。

日本もベルギーも堂々たる先進国ですが、考え方は大きく異なります。ベルギーは日本のように便利ではありませんが、人々に余裕と活気があります。一方、日本は便利ですがそれを追求しすぎるあまり、余裕が奪われているのではと考えさせられました。

私は自分の夢を追い続けることができるベルギーの雰囲気が好きで仕方ありません。自分の生きる環境とは少し違う世界を見つめてみると、大きな発見が待っていると身をもって感じました。ベルギーでの日々は、自分と周りを見直すチャンスになりました。(高校生記者・渡辺三冬・3年)