大学入試センターは、1月13日に行われた2024年度大学入学共通テスト「英語・リスニング」の試験で、音声を聴くためのICプレーヤー機器の不具合や操作ミスなどで55人が、試験を途中から受け直す「再開テスト」対象になったと発表した。また試験監督の対応の誤りにより1人が1月27日の再試験受験対象となった。

再開テスト対象者のうち、機器の落下や受験生の嘔吐など機器の不具合ではない理由が14人、機器の不具合もしくは操作ミスが41人だった。52人が受験を中断した設問以降を再開テストとして受けた。3人は再開テストを辞退した。

再試験対象者は、愛知工業大学の受験者1人。大学入試センターによると、この受験者は試験開始後に機器の不具合を訴えるために挙手。機器の音声は途中で停止できないため、この時点で再開テスト対象にすべきだったが、試験監督者は筆談で受験者に音声が聞こえていることを確認し、試験を受けさせ続けてしまった。13日夜に保護者から連絡があり、大学側が問題を把握したという。

リスニング試験の受験者は44万7531人のため、再開テストと再試験の対象者をあわせて受験者の0.01%だった。

大学入学共通テストの受験生者向けの注意事項では、リスニング試験で機器の不具合や問題冊子の不備によって解答に支障がある場合は、ためらわずに挙手して監督者に知らせるよう求めている。試験終了後に申し出ても、原則として再開テストなどの救済措置の対象にはならないという。