「大学入学共通テスト(以下、共通テスト)」まで、1カ月を切りました。入試直前期に押さえておきたい「理科」の勉強方法、知っておきたいポイントを紹介します。(協力・東進ハイスクール)

【物理】概念を理解してるか

「考察の過程にあたる物理の本質的理解」また「現象をモデル化する過程」を問われる出題が予想される。一つひとつの概念が的確に理解できているか確認を行おう。

2023年大学入学共通テスト物理の問題。実験後に生徒と先生で討論する場面も用いられた

【化学】時間配分に注意

融合問題の出題が予想されるため、理論化学、無機化学、有機化学の各知識とその活用について確認しておこう。リード文や図から必要な数値を読み取って解答を求めるものがあるので、時間配分にも注意が必要だ。

2023年大学入学共通テスト物理の問題。グラフを考察する問題が出題された

 

【生物】教科書の図表や写真もチェック

単なる用語の暗記ではなく、教科書の知識の本質的な理解力と応用力が求められる。図表や写真にも目を通しておこう。計算問題対策も忘れずに。

2023年大学入学共通テスト生物の問題。実験結果を読み取る必要がある

【地学】地質図や天気図に要注意

図表やグラフを読み解く力を問うものが多く出題される。特に地質図や天気図などは要注意。模試などを復習しておこう。

2023年大学入学共通テスト地学の問題。地質図を用いた出題もあった

真の学力を目指し質を高めた学習を
物理・高柳英護先生(東進ハイスクール)

 共通テスト前に焦って多くの問題に触れることだけを考えてしまう受験生が少なくありません。残念ながらそれは真の学力の向上に直結しづらく、「問題をこなした安心感」だけが残って本番で失敗する可能性が高くなってしまいます。もちろん練習量も必要ですが、それは「質」あってのものです。

 直前期に確認しておくことは二つあります。一つ目は「頻出テーマを甘く見ない」ことです。仮に練習問題で解けたとしても、同じテーマで異なる側面から出題してくるかもしれません。その際、図、グラフや表を使って考察することを習慣にしておく必要があります。二つ目は「その場で考える実験問題」にしっかり向き合うことです。目新しい問題でも高校の学習範囲で必ず考察できるようになっています。復習は手を抜かず、納得のいくまで考える習慣を身につけてください。(「東進タイムズ」より)