中学・高校生活は、過ごし方や選択で将来が大きく変わってしまう大事な時期。「勉強がうまくいかない」「進路が決まらない」など、悩みが尽きないでしょう。20歳で学習塾を創業し、4000人以上の生徒を直接指導してきた石田勝紀さんに、読者から寄せられた「通信制高校から難関大に合格できるのか?」というお悩み相談に答えてもらいました。

【お悩み】通信制高校でも難関大学に行けるか

全日制の学校から通信制高校に転校しようか悩んでいます。入学して1カ月くらい学校に通いましたが、体調を崩し休んだ結果、学校へ行きにくくなってしまいました。

難関大学に進学したいと思っているのですが、通信制高校で行くことはできるのでしょうか。不安です。(ユリ・高校1年女子)

合わなければ転学もあり

こんにちは。石田勝紀です。体調を崩したことがきっかけで学校に行きにくくなる気持ち、よくわかります。今の学校が自分に合わないということであれば転学(通信制高校など)することもありです。復帰できそうであれば、今の学校のままでやっていくこともできます。いずれにしても、山の頂上に到達するのに、ルートが違うだけで結果は同じだと思うといいですね。

全日制でも通信制でも目指す場所は同じ

さて、質問についてですが、結論から言えば「通信制高校でも難関大学に進学することは可能」です。ただしいくつか注意点があります。

【1】実績のある通信制高校を選ぼう

通信制高校と言ってもさまざまあります。全国に公私立合わせて通信制高校は274校もあります。その中でも、難関大合格者をある程度出している学校を選択したほうがより適切だと思います。なぜなら、実績があるということは指導方法がある程度確立していると思われるからです。

実績のある高校は指導方法が確立している

通信制高校というと、一般的に不登校の子たちが行くところという印象があるかもしれませんが、近年は積極的に通信制高校を選択する子も増えてきていると聞きます。海外で活躍する高校生(バレエやスポーツなど)は日本の高校卒業資格を得るために通信制高校に在籍して高卒資格を得ている子もたくさんいます。また、難関大へ行くのに通信制高校をあえて選択する子もいます。

いずれにしても、通信制高校と言っても特色が学校によって異なるため、自分の目的が叶う可能性を感じる高校を選択してください。

【2】予備校や塾の力を借りる

上記で難関大学合格実績のある通信制高校の選択の話をしましたが、それでも高校だけの指導では不足感があるかもしれません。おそらく、そのような高校から難関大に合格した高校生は、予備校などの補助学習機関を使っていたと思われます。予備校は合格のためのノウハウをたくさん持っており、「何を、いつまで、どのように」やればいいかを知っています。

大切なのは難関大合格のノウハウを持っているかどうか

予備校でなくても、個別指導や家庭教師、通信教育なども考えられますが、ポイントは難関大合格のノウハウを持っているかどうかです。ただ勉強を教えてもらえるというだけでは合格することは難しいでしょう。先ほどの通信制高校の選択と同様に、補助学習機関も選択が大切になります。

なお、選択について自分では判断がつかないということであれば、親と一緒に調べてみるといいでしょう。自分の視点だけでは見えないことでも、親と一緒に見ていくと選択の幅が広がっていくと思います。

【3】自分が楽しめる時間を作る

さて、最後に重要なことを書いておきますね。難関大へ進学したいという希望はとても素晴らしいです。一方で、そこだけに意識を向けてしまうと、いつしか心が疲れてしまうことがあります。なので、自分が楽しめることにも時間を使ってくださいね。それも難関大に向けての重要な要素です。何事もバランスが大切です。バランスを保つためには、楽しめることを日常生活に入れていくことです。

ぜひ、素敵な自分らしい人生を創っていってくださいね。

 
石田勝紀さん 
いしだ・かつのり 教育者。教育デザインラボ代表理事。著書執筆・講演活動を通じて、学力向上のノウハウ、社会で活用できるスキルやマインドの習得法を伝える。『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば
』(集英社)など著書多数

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