全国立大の入試で「高度な記述式」実施へ 2020年度の大学入試改革

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 国立大学協会(国大協)は12月8日、2020年度からの大学入試改革にあわせ、全ての国立大学受験生に個別試験で「高度な記述式試験」を課す方針を明らかにした。一方、文部科学省が検討している現在のセンター試験に代わる新共通テストでも記述式試験が課される方向だが、採点方法など課題も多い。
(西健太郎)

現在の個別試験との違いは?

 大学入試改革をめぐっては、受験生の論理的思考力・判断力・表現力を測るための選抜方法が焦点になっている。

 これまでも国立大は個別試験で記述式問題を課しているが、「現在の記述式に安住していたら、(大学入試改革の)趣旨を生かせない。各大学は努力して(新たな)試験をつくらないといけない」(国大協の里見進会長)と、各大学に出題内容を見直すことを促す考え。例えば、いくつかの素材文を与えられ、受験生が自分の考えをまとめ、表現する過程を評価する問題などを想定しているという。

 「高度な記述式」を出題する教科は、国語が中心になるが、大学によって、他教科や総合問題での出題もありえるという。里見会長は「この3、4年でも国立大の試験は変化している」と、既に入試改革が進んでいることも強調する。

新「センター試験」でも短文記述

 一方、文部科学省は、現在のセンター試験に代わって20年度から導入する新共通テストの国語で記述式試験を課す方針だ。基礎的な能力を問うための「短文記述式」(80文字程度)と、深い能力を問うための「字数の多い記述式」の2パターンの問題を取り入れることを検討しているが、課題が多い。

 センター試験の国語は50万人が受験しており、短期間で記述式試験の採点をするのは簡単ではない。文科省は「短文記述式」の採点を民間企業に委託する考え。もう一つのパターンの「字数の多い記述式」は、大学入試センターが採点せずに、各大学に自校の受験生の答案を採点してもらう方式を検討している。いずれのパターンも、マークシート式の大問と分けて作題するのか、現在80分の試験時間を延長するのかなど、決まっていないことが多い。

あと4年、未確定事項多く

 国立大側は新共通テストの「短文記述式」も一般入試の全受験生に課す方向で検討している。だが、「字数の多い記述式」を新共通テストで実施することには「試験時間の中で2パターンのいずれか、または両方を答えさせるのは複雑で混乱を招く」と疑問を投げかける。より深い記述式は共通テストでは課さず、各大学が個別試験で実施することを基本にすべきだとの見方をにじませる。

 文科省は来年度初めにも新共通テストの実施方針を公表する予定だが、現状は未確定なことが多い。国大協は「多くの問題例や採点基準が早期に示されることを望む」としている。

(高校生新聞 2017年1・2月合併号から)

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