アメリカのマサチューセッツ工科大学で毎年開催されている「遺伝子組替え」に関する世界最大規模の大会「iGEM」(=世界合成生物大会)。神奈川工科大学大学院 応用科学・バイオサイエンス専攻 博士前期課程1年の田代恵理さんと鈴木智佳穂さんは、2020年にこの「iGEM」にたった2人で参加。バイオについての多くの知識と英語力が求められるこの大会で、銅メダルを獲得した。
「実験はお好きですか?」きっかけは先生からの声掛け
入学時のオリエンテーションで説明を受けた当時、「まさか自分が関わることになるとは思っていなかった」という田代さん。大学2年の春に先生に声を掛けられ、嬉しさと誇りを胸に参加を決めた。
そして翌年、新たに名前があがったのが鈴木さん。活動内容はもちろん、英語でのプレゼンテーションに敷居の高さを感じ、自分からは参加する勇気が持てなかった鈴木さんだが、元々興味を持っていたところに田代さんから誘いを受け、出場を決意した。
実験大好き!2人ならではの研究で掴んだ銅メダル
2020年のメンバーは、なんと田代さん・鈴木さんの2人だけ。絶対的マンパワー不足という逆境の中、2人の合言葉は「なんとかできるでしょ!」だったという。
コロナ禍で大学設備の利用にも制限がかかる中、先生や先輩たちのサポートに支えられながら歩みを進めた1年間だった。
2人が選んだ研究テーマは、『バニラの香りの大腸菌を作成する』。
「大腸菌を実験で扱うときの“くさい”ニオイを良い香りにできれば、もっと実験が楽しくなるのでは? と考えたんです」
このテーマに向けて実験を繰り返した2人だったが、最終的に考えていた結果を得ることはできなかった。そのため、そこに至るまでの研究プロセスと、「バニラの香りで本当に大腸菌の独特のニオイをカバーできるか」について調べた結果を大会で発表研究したという。
2人の研究プロセスと、調査内容をまとめた発表への評価は高く、結果的に銅メダルの受賞となった。
学んだのは、諦めないことの大切さ
現在、アンチエイジング化粧品の原料について基礎研究を行う田代さん。大学院卒業後は、化粧品関連の会社に研究職として就職することが目標だ。
「大学生活の中でいろいろ経験することで見えてくる“自分”がある。より深く自分を知ることで、今後が豊かになっていきます」と田代さん。進学を考える高校生たちには、人生を豊かにするためのきっかけを大学生活で作って欲しいと語る。
一方、鈴木さんが取り組むのは、新たな治療薬を開発する基礎研究。自分の知識とスキルを身近な生活の安全を守るために役立てたいそうだ。
実は、鈴木さんは文系高校の出身。理系大学ではついていけるか、不安もあったという。
最後に2人は、高校生へメッセージをくれた。
「自分が本当にやりたいことを目指してやってみた結果、今につながりました。”自分には無理かも”と諦めずに、興味のあるやりたいことに“チャレンジできる環境”と出会ってください!」
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