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- 【最優秀賞】
- 小沢 真奈(東京・東京純心女子高等学校2年)
- 雨風に負けぬ者にはなれずとも傘差し出せる者でありたい
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受賞者コメント
おかげさまで、このような素敵な賞をたまわることができました。とても幸せな気持ちでいっぱいです。受賞の知らせを聞いた時は、まさか自分の短歌が……と思わず目を見張ったと同時に、思いを受け止めていただけた嬉しさに、胸の奥が熱くなりました。わたしの作品を読み、また評価してくださった審査員の方々に心より御礼申し上げます。
コンテストに応募した理由は、自分の気持ちを言葉で表現することに挑戦したかったからです。雨にも風にも負けてしまう。ならばせめて、傘を差し出せる優しさを心に持ちたい。雨風の中を歩く人がいたら、ひとつ傘の下、ふたりで笑いながら共に歩きたい。傘からはみ出してびしょ濡れになった片方の肩さえ、愛おしみたい……そういった思いの全てを、三十一文字に託しました。
短歌をしたためる過程で、自分の思いを言葉で表す大変さや、限りある文字数に凝縮する難しさに打ちのめされた時もありましたが、納得のいく形に仕上げられた時の喜びは忘れられません。創作活動を通じて、言葉の持つ可能性というものを身に染みて感じることができました。
今後の進路や夢はまだ明確には決まっていませんが、言葉にご縁がある道へ進みたいと考えております。より豊かな言葉を紡げるよう、この結果をお守りにして、これからも日々精進していく所存です。後輩の方々には、自分の心が感じたことを大切にしてほしいなと思います。
- 【優秀賞】
- 矢吹 里穂(神奈川・横浜雙葉高等学校3年)
- 聳え立つビルの隙間の満月よカメラは捉えぬ奥深き光
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受賞者コメント
このような賞をいただけるとは全く思っていなかったのでとても光栄に思います。この歌は、夏の夜、ふと見上げた空に神々しく輝いていた月から、自分の目で見る自然の美しさや溢れ出る自然のパワーに改めて気付かされた一瞬を歌に表現したものです。そんな私が見たもの、感じたことを表したこの短歌を評価していただき本当に嬉しいです。
学校の夏休みの課題中で、短歌に挑戦しようという思いから応募しました。歌を読んで下さった方に私が見た景色や私の感情を31音いう極めて少ない音の中で伝わるように工夫しました。31音に込める言葉一つひとつの重みを学ぶことができました。
私は人の命を救うことに関わる仕事がしたいと思っており、その中でも、医師の診断を支える、MRIやCT、エコーなどの検査機器の研究・開発に関わる仕事に就きたいと考えています。医師がより的確な診断をできるよう、隅々まで綺麗に写し出しかつ撮影をする技師が扱いやすく、さらに患者の負担が軽い検査機器の研究・開発に関わる仕事に就きたいです。
アドバイスとしては、何事にも挑戦してみることだと思います。私のように国語が苦手だったり、文章を書くことが苦手だったりする人でも、自分が見たもの、感じたことを伝えたいと思い、何か創作活動に挑戦すれば、きっと読んだ方に伝わり、評価していただくことができると思います。 - 焼山 美羽(東京・開智日本橋学園高等学校3年)
- 性別に「どちらでもない」書く君は最後のとめに力込めたり
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受賞者コメント
優秀賞をいただくことができて、嬉しく思っています。
学校からの案内を受けて応募を決めたと記憶しています。
今回の短歌では自分らしく生きる友人の姿を詠みました。カミングアウトした後の友人の横顔は凛々しく、とても十七には見えませんでした。そして、プリントの性別欄に記した最後の「とめ」。そこに込められた勇気と決心とを三十一音の中にぜひ組み込みたいと感じ、友人からの了承を得て、制作を進めました。この制作を通じて、私は修辞技法等への関心が深まったように思います。これからは日本語や自然の美しさにも敏感でありたいです。
高校卒業後は大学に進学して平安時代の物語文学を研究するつもりです。大学在学中も短歌や小説の創作は続けていきたいと考えています。
料理の味を知るには、よい料理をたくさん食べることが必要だと聞いたことがあります。短歌においても、善し悪しの判断力を養うには最上の作品に触れることが不可欠なのかもしれません。しかし、後輩の皆さんは心の思うままに筆を進めてみてはいかがでしょう。 - 【佳作】
- 早川 彰太郎(福岡・西日本短期大学附属高等学校2年)
- 恩師逝く誓いし勝利掴むためぬかるみの中ダイビングキャッチ
- 翁 謀業(東京都立墨東特別支援学校2年)
- 「生」にはさ百種以上の読み方が「死」にはたった一つの読み方
- 加藤 結衣花(茨城県立結城第二高等学校3年)
- 平和への歌声響く街並みに見えざる兵士の行進止まず
- 山口 雄大(福岡・西日本短期大学附属高等学校2年)
- パーキンソン患う祖父を負んぶする昔祖父がしてくれたように
- 杉本 詠太(横浜市立戸塚高等学校2年)
- 青春も海も透明遠くから眺めないとわからない青
- 【入選】
- 江川 颯太(福岡・西日本短期大学附属高等学校2年)
- マウンドは自信つけねば守れない守り抜くため走りこみする
- 長谷川 万葉(京都・洛南高等学校3年)
- 気がしてた思ってたとか多用して輪郭のない生活をする
- 岩島 圭汰(岐阜県立恵那高等学校2年)
- 柿食えど鐘は鳴らずや静かなり跡継ぎおらず廃れゆく寺
- 水野 春予(大阪市立咲くやこの花高等学校2年)
- ゼミ室は「彼女が欲しい」と囁いた少女の声を仕舞い忘れた
- 原口 来瞳(兵庫県立武庫荘総合高等学校2年)
- ずっしりと種無し葡萄に満ちている人の歪めし生の理
- 増田 一太(群馬県立太田高等学校1年)
- 自分にはないものばかり欲しくなるノットばかりの論理演算
- 石﨑 愛佳(山口県立岩国総合高等学校2年)
- 道端に薊の花が咲いている「一人にしてよ」と言っているみたいに
- 長谷川 颯生(青森県立五所川原高等学校2年)
- 深い夜飲まれぬように煌めいた六等星に勇気づけられ
- 宮本 稜也(群馬県立太田高等学校2年)
- 立ち止まり自分らしさに悩む日の道の先には青葉があった
- 中原 菜々海(福岡・西日本短期大学附属高等学校2年)
- 黒板に書かれた文字は消せるのにネットに挙がる文字は消せない
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