「コンビニと歯科医院のどちらが多いか」の答えは歯科医院。コンビニエンスストアの約5万5,000軒に対し、歯科医院は約6万8,000軒となっている。「コンビニよりも歯科医院の方が多い」と聞いて、驚く人もいるのではないだろうか。

 

 

高校生が行く頻度が高いのはコンビニ?

コンビニよりも歯科医院の方が多いと聞いて驚くのは、それぞれの利用のされ方の違いが大きいと思われる。

「不特定多数の人が来店するコンビニエンスストアに対して、歯科医院の場合は限られた人が来院します。とくに高校生のみなさんはコンビニと歯科医院のどちらに行く頻度が多いかというとコンビニでしょう。『歯科医院ってそんなに多いの?』と意外に思われる方は、行く頻度が極端に異なるのが原因なのではないでしょうか」と話すのは神奈川歯科大学の副学長・菅谷彰教授。

 

しかし、世界各国と比較すると、日本の歯科医師数は決して多いわけではないという。

「日本の人口当たりの歯科医師数は、OECD加盟国35か国(2017年)のなかで12番目で、歯科医師数が多すぎるというわけではありません。日本では歯科医師の数が人口1,000人に対して1人に満たないのですが、トップクラスのアメリカの場合は1.5人を超え、充実しています。さらに近年は、むし歯の治療や予防だけでなく、美容や口腔内の環境調整、口腔の機能向上など、役割も多様化しているため、多くの歯科医師が必要なのです」(菅谷教授)

 

 

人生100年時代の歯科医師の役割

とくに社会全体の高齢化の影響は、歯科医師の役割を大きく変えていくことが予想されている。従来は「むし歯が痛くなった時」などにかかる「治療中心型」だったが、それだけではなく口腔機能の維持・回復を見据えた「治療・管理・連携型」の歯科医療が、今後は重要になっていくのだ。

 

子どもから高齢者まで、幅広い年代のニーズに応えるためには、地域に一定数の歯科医院が必要となる。私たち患者側も、数が多いからこそ歯科医院を選ぶことができる。一人一人に合った治療・予防をするために、歯科医師の需要はこれからも続いていくだろう。

 

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提供:神奈川歯科大学