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【最優秀賞】
 
濵口 美咲 (山口・熊毛南高校2年)
 鈴虫や畳の上の回覧板
 

受賞者コメント

担当教員から最優秀賞を取ったことを聞いたときはとても驚きました。試行錯誤を繰り返し、「いい句が詠めた」と手応えを感じた俳句で最優秀賞を取れたことがとても嬉しかったです。
鈴虫が聞こえるこの時期、ちょうど回覧板には秋のイベントのお知らせがあります。それを見て秋になったことを鈴虫の鳴き声を聞きながらしみじみと感じている様子を詠みたいと思いました。これは私が実際に体験したことです。
制作する際、ただ情景だけを詠むのではなく、五感を感じられる俳句を詠もうと思いました。しかしこれがとても大変でした。また、作品を制作する時に、単語を調べて、組み立て、満足いかなかったらまた調べて、組み立てる。この、試行錯誤を繰り返す度に、きれいになっていく俳句を見るのが楽しかったです。
今後、自分が見たもの、感じたことを、より鮮明に俳句で他者に伝えられるようになりたいです。
後輩へは是非、自分が納得する俳句ができるまで、試行錯誤をしてほしいです。もし納得できる俳句ができれば、俳句を作るのが楽しくなると思います。

 
【優秀賞】 
 
鈴木 瑠華 (静岡・浜名高校3年)
 東へと翅一枚の蜂が這う
 

受賞者コメント

小学生の時に俳句というものに出会い、17文字という少ない文字数の中で思いや情景を伝える難しさと向き合ってきました。このような大きい賞をいただくことができ、たいへん嬉しく思います。
この作品は、コロナウイルスによる長期休暇時に庭で偶然見つけた蜂について詠んだ俳句です。今まで体験したことのないような状況下だからこそ、多くの思いをこめて詠みました。また、制作する中で、自然界の厳しさと命のたくましさ、力強さを感じました。
卒業後は、四年制大学への進学、小学校教諭を目指します。日本語の素晴らしさを教えられる教員になりたいです。
様々な体験をすることが俳句を詠むうえで大切なことだと思います。みなさんは、多くの俳句、体験を通して自分らしい解を見つけてください。

 
勝井 七海 (三重・津高校3年)
 さよならは詩語に成り果て冬木立
 

受賞者コメント

このような素晴らしい賞を頂くことができてほんとうに嬉しいです。いつもは短歌を中心に頑張っていたので正直なところ驚きが大きいですが、これを機に俳句にもっと親しんでいけたらなと思います。
じつは、景を得たときには短歌にするつもりでいたのですが、どうもしっくりこなかったので俳句にも挑戦してみることにしました。
俳句のリズムのいさぎよさであったり、切りつめられた言葉の色気であったりに直接触れることができて良かったです。もっといろいろな句を読んでみたいと思うようになりました。
表現のかたちに囚われず、自分の出したいものにぴったり合うものを模索することって大事だなということに気がつけてよかったです。このコンテストは4つも部門があるので、色々挑戦できるいいチャンスだと思います。

 
 
【佳作】
 
横溝 麻志穂 (宮城・聖ウルスラ学院英智高校1年)
夜濯のマスク干しつつ星仰ぐ
 
山本 理恵 (北海道・北星学園女子高校2年)
本塗りの朱色のごとくトマト熟る
  
田中 望結 (埼玉・星野高校2年)
原爆の日や青空に殴らるる
 
永松 優花 (福岡・西日本短期大学附属高校1年)
立春の静寂を吸い弓を引く
 
鈴木 萌晏 (岩手・水沢高校3年)
祖母はまた徘徊をして緑蔭へ
 
 
【入選】
 
松田 星音 (埼玉・特別支援学校坂戸ろう学園1年)
木登りの猿を見かけて風薫る
   
織田 桃果 (滋賀・東大津高校2年)
蝉時雨眠れる人の喉を見る
 
小久保 羽琉 (埼玉・星野高校3年)
組紐を編みて蛙の目借時
 
粂内 大知 (三重・四日市南高校2年)
若葉風休校校舎からチャイム
 
弘平谷 空 (東京・広尾学園高校2年)
息切れの足をくぐりて青蜥蜴
 
遠山 寧々 (静岡・浜名高校3年)
朝蝉の祈り白亜の天主堂
 
遠山 琴々乃 (静岡・浜名高校1年)
うららかや兄弟の手に塩むすび
 
武 元気 (群馬・高崎高校2年)
教会の庭にあさがほ満ちてをり
 
高島 光希 (茨城・結城第二高校3年)
今日も空手明日も空手青嵐
 
多良 泰我 (福岡・西日本短期大学附属高校1年)
晩夏光バッターボックスのへこみかな
 
 
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