缶サット甲子園2020全国大会の全日程が終了した。今回の優勝チームは尼崎工業高校(兵庫県)の電気通信研究部。今回は、審査員の講評や受賞校の声とともに、最終結果をお伝えしよう。
事前プレゼン、打ち上げ実験、事後プレゼンのすべてをリモート開催
今大会はすべてリモートで開催された。ハイライトともいえる各校の「缶サット」打ち上げも、機体を運営本部に送り、当日はYouTubeによるLIVE配信の模様をそれぞれが観るという形式となった。
その後、機体は各高校に送り返され、それぞれがミッションにおいて取得したデータを解析、その結果をまとめ、事後プレゼンを開催。ZOOMにより審査員と参加校がつながり、各校プレゼンテーション10分、質疑応答3分の持ち時間で発表を行った。
最終結果は?
優勝は尼崎工業高校(兵庫県)の電気通信研究部。結果発表を受けた部員たちのコメントを紹介しよう。
「打ち上げ実験は、パラシュートに問題が発生したため、缶サットの落下実験が満足にできませんでした。ただ、最低限のデータが取得できていたので分析・解析ができました。結果的に優勝という評価につながったことはとても嬉しかったです。打ち上げ実験を中継で見ることができ、事前プレゼンの映像も何度も見直すことができたのが良かったです。優勝はできましたが、次回への課題もいただきました。この課題を少しでも解決できるように取り組んでいきます。」
尼崎工業高校 電気通信研究部(近藤一輝・坂本志久真・淺田瑛都)
★最終審査結果
- 【優勝】
- 尼崎工業高校(兵庫県)
- 【準優勝】
- 桐蔭高校(和歌山県)
- 【土岐賞(技術賞)】
- 岐阜工業高等専門学校(岐阜県)
- 【ベストプレゼンテーション賞】
- 栃木高校(栃木県)、東葛飾高校(千葉県)
- 【ベストミッション賞】
- 法政大学第二高校(神奈川県)
- 【奨励賞】
- 芦屋国際中等教育学校(兵庫県)、茨木工科高校(大阪府)、敬愛高校(福岡県)
- その他参加校
- 洲本高校(兵庫県)
宇宙飛行士・山崎直子さんからのメッセージも!
今回の大会で審査委員長を務める、宇宙飛行士の山崎直子さんからは、大会全体の講評も届けられた。以下に紹介する。
「コロナ禍で活動に制約が多かった中、もどかしい点もあったと思いますが、皆さん、その中で最善を尽くされたと思います。打ち上げ時に思うように動作しなかった点を、事後の実験や検証で補っていた点、素晴らしかったです。失敗から学んだことは、貴重な経験になります。この困難な時期に、一連のプロジェクトを遂行したことを誇りに思ってください。お疲れ様でした!」