「こころの病気」を持つ人と関わり、その人の生活や人生を支え、共に歩んでいくのが精神看護の仕事。今回は東京情報大学 看護学部看護学科の大山一志助教に、精神看護の仕事をするうえで大切なことについて話してもらった。

誰もが罹り得るこころ(精神)の病気

「こころの病気と聞くとどんなことを想像しますか? 怖いあるいは危険、絶対に罹りたくないと思うのではないでしょうか? そうしたこころの病気に対するイメージの大部分は、精神障がい者に対する誤解や偏見、古くからの慣習や風評、不正確な事件報道や情報などから生じる先入観によるものです。昨今、うつ病などをはじめとするこころの病気は、年々増加しており、こころの病気は、生涯を通じて5人に1人が罹るとも言われています」と話すのは看護学科の大山一志助教。

大山先生によると、それ以外でも震災などの予想だにしない出来事に遭遇することでもこころの病気を患ってしまうことがあるという。つまり、こころの病気は誰しもが罹り得る病気なのだ。「そのため、心の病気を正しく理解し、こころの健康を保っていくことが大切なことなのです」。

また、一口に「こころの病気」といっても、その種類はたくさんある。

「うつ病や統合失調症、PTSD(心的外傷後ストレス障害)、認知症などはよく耳にするかと思います。病気によって症状の違いや大小がありますが、気分が沈んだり、眠れなかったり、あるいは幻覚や妄想などを生じます。こうした症状が強くなると、これまでのような社会生活を営むことが困難となり、治療が必要となります」と大山先生は話す。

 

 

精神看護の仕事はどんなことをするの?

精神看護は、こうした「こころの病気」を持つ人と関わり、その人の生活や人生を支え、共に歩んでいく仕事。なぜなら、こころの病気を持つ人は、その病気を持つことで生じる“生活のしづらさ” を抱えながら生きているからだという。症状ゆえに日常生活を上手く営むことができないのだ。

「すなわち精神看護は、こころの病気を持つ人その方の生き方を支えていくことなのです。それは人間対人間の付き合いであり、患者を見るというものではなく、人を見るというものです。そして人を見るということは、否が応でも自分というものを見つめていかなければなりません。ですから、日々、自分自身と向き合い鍛錬していかなければなりません。それが、精神看護の真髄であり、醍醐味であると私は考えています」。

精神看護学の授業では、こうしたこころの病気を持つ方と関わっていくための方法について学んでいく。さらに「病院実習」では、実際にこころの病気を持つ方と接していく。

「実際にそうした方々と接すると、こころの病気を抱えながらも一生懸命に生きている姿に心打たれることでしょう。高校生の皆さん、魅力ある精神看護を是非とも本学で学んでみませんか?」と大山先生はメッセージをくれた。

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