中学生、高校生を対象に武蔵野大学工学部数理工学科が募集する「数理工学コンテスト」。第4回となった今回は、全国から197作品の応募があり、そのうち16作品が入賞を果たした。

次代を担う中学生・高校生たちが栄えある受賞

数理工学の普及や数理工学教育の推進に貢献することを目的に開催されている「数理工学コンテスト」。今回は全国の中学校・高校から197作品の応募があった。作品は、物理や化学、生物などの自然科学分野をはじめ、日常的な統計やシミュレーションなど、分野は多岐にわたり、中高生らしいアイデアが盛り込まれた研究が多かったことが印象的。そのなかで、最優秀賞1作品、優秀賞3作品、奨励賞5作品、選考委員賞4作品、ジュニア奨励賞3作品の計16作品が選ばれた。3月24日(土)には、武蔵野大学有明キャンパスにて授賞式を開催。受賞者、選考委員が一同に集まり、表彰および選考委員による入賞作品の講評が行われた。

受賞者・選考委員の集合写真。 
入賞した16作品について、ひとつひとつ選考委員による講評が行われた(写真は西川哲夫教授)

選考委員評

力作ぞろいで審査が難航

武蔵野大学工学部数理工学科
 教授 薩摩順吉氏

第4回の今回も全国から作品が寄せられ、数理工学の汎用性を反映したユニークな作品が多く集まった。力作ぞろいで審査が難航した。中学、高校で学んでいる数学・情報の知識が、実社会の幅広い分野で生かされるという可能性を知って、これからももっと学び続けて欲しい。

薩摩順吉教授

最優秀賞

広島大学附属高等学校3年「数学研究班」

◆研究タイトル 

「ドローンによる効率的な被災者の探索シミュレーション」

◆研究の内容

私たちは災害時における自衛隊による被災者の探索を、複数台のドローンを用いて行うことで時間・コストの縮小を図れるのではないかと考え、本研究を構想しました。コンピュータを用いてドローンの動きを再現したシミュレータを作成しました。本研究から、被災者がどのように分布しているかが大まかに察知できる場合、アルゴリズムを変更することで効率的に被災者の探索を行うことができると考えられます。

◆研究のきっかけ

私たちの暮らす日本は地震などの災害が多い国でして、被害が甚大である場合には、被災者の探索は短時間で徹底的に行われる必要があります。最近はドローンを使って上空から迅速に探索が行えるよう技術開発が進められていて、私たちもそうした研究に携わりたいと考えていますが、ただ、実際にドローン飛ばして実験を行うことは、時間的・経済的に大変です。ですので、ドローンの動きを再現したシミュレータを作成することで、実際にドローンを飛ばさずに研究を行える方法を探りました。

 
 

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