地球環境への関心の高さがうかがえる、過去最多の812通!

2015 年11 月7日、「第15 回高校生地球環境論文賞」(中央大学主催)の表彰式が行われた。812通の応募から厳正なる審査の結果、高い評価を得て選ばれた受賞者たちが、中央大学多摩キャンパスに集った。

 

高校生が地球環境について問題提起和やかな雰囲気で表彰式開催

 高校生が地球環境問題について考え、それぞれの視点で問題提起することを目的に2001年にスタートした地球環境論文賞。今年で15回目を迎え、例年に勝るとも劣らない秀作が集まった。

 表彰式の冒頭では、入学センターの中尾秀博所長が「無事に15回目を迎えることができました。今年も優秀な作品が集まり選考が難航しました。本人の努力はもちろん、先生のご指導、ご家族の支援もあったことでしょう」と高校生をはじめとする関係者をたたえた。
 表彰式は和やかな雰囲気の中で行われ、その後、審査委員長の田中廣滋教授による講評が行われた。「812の論文のうち、45の論文が一次選考に合格しました。いろいろな方が精査し、その中から誰が読んでも受賞に価するとして選ばれた論文なので、自信を持ってほしい」と話し、各論文の講評を述べた。

 表彰式後は、懇親会やキャンパスツアーも行われ、受賞者は互いに交流を深めた。

最優秀賞はエゾシカ肉の有効活用をテーマとした論文

 最優秀賞の田湯真凜さん(北海道・立命館慶祥高校3年)は、地元に生息するエゾシカに着目し、その有効活用について「北海道におけるエゾシカ肉の有効活用-新ひだか町を例としての考察-」という論文をまとめた。

 北海道では、エゾシカの食肉、観光分野での有効活用を推進しているが、捕獲したエゾシカの食肉利用はわずかで、ほとんどが焼却されているのが現状だという。田湯さんは、食肉処理施設や加工業者の取材をはじめ、自身が通う高校の保護者にアンケートをとるなど丁寧な調査を行い、エゾシカ肉の魅力を探り、その可能性を追究した。

 「取材が一番大変でした」という田湯さん。取材先の会社の取り組みについて事前に調べ、質問を組み立てて臨んだという。「論文にはもっと自分の意見を反映させたかったのですが、文字数の制約で削る必要がありました。そこで、環境を守りつつ、エゾシカ肉を活用し、利益に還元することを重点的に伝えることにしました」と話してくれた。

フィールドワークや実体験をもとにした論文に高評価が集まる

 優秀賞には3作品が選ばれ、そのうちの2作品は東京・お茶の水女子大学附属高校の生徒が受賞した。同校2年の小野田千寛さんは、授業で先生が語った「地産地消は必ずしも環境に良いわけじゃない」という言葉がずっと頭に残り、環境に良い地産地消について追究した。論文には、自分自身の体験を盛り込み、わかりやすく書くことを心がけたという。

 一方、動物好きの川島あさひさん(1年)は、ヒグマの生態系を人間が壊している現状に着目し、共存共生の道を探るべくテーマを設定。ドイツでホームステイをした経験を生かした環境対策を、動物愛護の立場から提言した。

 そしてもう1作品は、小松春佳さん(秋田県立角館高校3年)率いる「ホタル復活プロジェクト」の3人だ。同じ条件下でフィールドワークを行うことに苦労したという。

 佳作に選ばれた論文も、いずれも評価が高かった。藤原伸さん(大阪府立園芸高校2年)は、ビオトープ部での取り組みを論文にまとめ、外来生物の繁殖に言及。東京・お茶の水女子大学附属高校「グローバル総合 環境チーム」の3人(2年)は、高校生に関心の高いファッションから環境対策にアプローチした。みんなで協力して一つの論文に取り組むことで協調性が身についたという。凌亮太郎さん(福岡県立筑紫丘高校2年)は、高校の授業で議論したことをきっかけに科学のあり方について論じた。

 審査委員長の田中教授が「息長く取り組めば、結果が出ることも多い。数年後に自分の論文を読めば、また新しい道が見えてくるでしょう」と語ったように、それぞれのやり方で今後も地球環境に目を向け続けてくれることに期待したい。

 過去の優秀論文が中央大学ホームページで閲覧できます。ぜひ一度ご覧ください。2016年度も実施の予定です。詳細は2016年5月頃にお知らせします。次年度の君の挑戦を待っています。

中央大学 地球環境論文サイト

 




法学部 経済学部 商学部 理工学部 文学部 総合政策学部 大学院
〒192-0393 東京都八王子市東中野742-1
TEL.042-674-2144(中央大学入学企画課)
http://www.chuo-u.ac.jp/