國學院大學 経済学部 田原ゼミ

●相鉄ホールディングス株式会社(以下「相鉄」という)チーム:
 清岡詩織さん(経営学科3年)、早川あずささん(経済学科3年)
 ●江ノ島電鉄株式会社(以下「江ノ電」という)チーム:
 横山諒さん、鈴木千尋さん、高澤実夏さん(経済ネットワーキング学科3年)

神奈川県産学チャレンジプログラムに挑戦する國學院大學経済学部の学生の活動をシリーズで3 回に渡って紹介する。同プログラムは、産学連携の課題解決型コンペティション。第2回の同学経済学部 田原ゼミでは、過去には最優秀賞の受賞経験があり、学生にとって企業との関わりの中、生きたビジネスにふれる好機となっている。

10月中旬、田原ゼミに所属する2チームが、企業での審査を前に、パワーポイントを使ったプレゼンテーションを初披露した。5月にテーマを決定して以来、文献調査や現地調査を経て、作成した論文を10月初旬に企業に提出。11月には企業でプレゼンテーションを行い審査に臨む。

「考える力、発信する力を身につけながらチームで働くことを学んでほしい」という田原裕子教授の指導のもと、2チームの選択したテーマは、神奈川県にある鉄道沿線の活性化を探る地域性の高いもの。田原教授に指定された発表時間は1チーム15分。限られた時間で、自分たちの提案をいかにわかりやすく伝えるかが求められている。ゼミ生の見守る中、プレゼンテーションはスタートした。

最初の発表は、相鉄チーム「相鉄沿線における若者が魅力を感じるようなイベント・施策の提案」だ。沿線の人口動態に着目し、若い世代が減少傾向にあることから、新大学生をターゲットにずっと住み続けてもらうための方策を検討。大学と地域が連携したイベントの先行事例など、こまやかな調査結果をもとに、沿線地域の店舗と共催する2イベントを提案した。

一方、江ノ電チームのテーマは「鎌倉・江の島両観光地の回遊性を高める戦略」。近年の観光の特徴にあうよう、若い世代がアクティビティを楽しむ「江ノコン」と、中高年層のメタボ対策を意識した「えのさんぽ」を提案した。両チームとも初回とあって、制限時間内に終えることは出来なかったが、熱意を感じるプレゼンテーションとなった。

準備段階について、清岡さん(相鉄)は「グループワークなので、情報共有に重点をおきました」、鈴木さん(江ノ電)は「イベントの費用対効果を担当しましたが、何を収入に入れるかといった基本的なことからの勉強でした」と話す。

「段取りする力が身についた」と話す高澤さん(江ノ電)に、「大学3年の半分を費やして取り組んだ体験は自信につながる」と早川さん(相鉄)。コンペティションの準備で成長した面は大きい。横山さん(江ノ電)は「3年前に最優秀賞をとった先輩の提案が素晴らしかった。僕らもそこを目指したい」と受賞に向けて、その意欲を力強く語ってくれた。