客員教授の菊池桃子さんが新年度に向け、より意欲的に~グループワークで学生とさらに打ち解けたい~

母校の戸板女子短期大学で客員教授を務める菊池桃子さんに、この半年余りの授業内容や学生たちの印象、そして新年度に向けた抱負などについてうかがいました。

「『ただいま』という気持ちですね」。菊池さんは、教員として母校に戻ってきた感想をこう表現しています。アットホームで、学生と教員の距離が近いというのは、菊池さんが学生だったころと同じとのこと。昨年8月に客員教授に就任して以来、この半年ほどは3学科の学生に対してキャリア形成のための自己分析の指導や、2年生を対象に女性のキャリア論の授業などを行ってきました。そのなかで、3学科の学生の特徴を把握してきました。 菊池さんは各学科の学生たちをこのように見ています。「国際コミュニケーション学科のみんなはとにかく元気で、ディスカッション能力もあります。リーダーシップをとれるような子たちです。服飾芸術科の子は個性豊かで、ファッションもお化粧も同じタイプが見つからないくらい。そして食物栄養科の学生さんたちは一番ペンを動かしていて勉強が好きという感じ。学科ごとに個性があり、接していて楽しいです」。

こうした違いを踏まえて、各学科に合わせた授業を行っています。そして3学科合同の授業の際は、学生からの質問の内容によって、どの学科の学生かわかるくらいになったそうです。授業のなかで、菊池さんが特に重視しているのがグループワーク。「私が教室中を動き回り、時には雑談も交えながら学生たちに話しかけることで、打ち解けた状態になります。そうすれば、学生も質問しやすいし、理解度もより深まるでしょう。新年度もこのワークは続けていきたいです」と、学生の気持ちを考えながらこのように話します。

また菊池さんは、後輩である戸板女子短大の学生や今の高校生たちに温かいまなざしを注いでいます。「私の大学院時代の指導教授が『力があるから大学院に行くのではない、大学院に行くから力がつくのだ』と言われましたが、これはいろいろなことに置き換えて考えられると思います。まだ目標が定まっていない人もいると思いますが大丈夫。読書をしたり、新聞に目を向けたりして興味を持ったことは調べるなど、向上心を止めないでほしいです」。

菊池さんは大学院で学んだことを生かしながら、新年度も引き続き女性と若者のキャリア形成に関する授業と研究を行っていく予定です。他にも菊池さんが重要なテーマと考え、力を入れているのが「インクルーシブ教育」で、障害のあるなしにかかわらず、誰もが地域の学校で学ぶことです。これはキャリア教育にもつながるそうです。「生産年齢人口が減るなかで、女性のさらなる就労には期待が集まっていますが、障害を持つ人なども労働力として期待されています。誰も排除しない社会を今後作っていくために、こうした教育は意義深いと思います。学生さんたちには今はまだ少し難しいかもしれませんが、社会人になったときにソーシャルインクルージョンという考え方などを思い出してくれるといいですね」と、菊池さんは学生たちの卒業後のことも思い描きながら指導しています。