2025年12月13日、「第4回 東京農大SDGsコンテスト」(主催:東京農業大学)の最終審査が東京農業大学・世田谷キャンパス(農大アカデミアセンター・横井講堂)にて行われた。SDGsの17の目標と、東京農業大学が掲げる「学びのキーワード」から、地域社会をより良くするために高校生ができること、取り組んでいることを応募してもらった。最終選考に残った5名によるプレゼンテーション(1人7分間)を行い、厳正な審査によって最優秀賞が決定した。

 
 

 

【応募件数】
応 募 校 数:105校
応募作品数:460作品

【賞】
最優秀賞:1作品(賞状・副賞5万円)
優 秀 賞:2作品(賞状・副賞3万円)
特 別 賞:2作品(賞状・副賞2万円)
【審査委員】
■審査委員長 
上岡 美保(東京農業大学副学長・国際食料情報学部国際食農科学科教授)
■審査委員  
天野 正治(国土交通省大臣官房審議官)
川瀬 良子(タレント)
門倉   利守(東京農業大学副学長・応用生物科学部醸造科学科教授)
三原真智人(東京農業大学副学長・地域環境科学部生産環境工学科教授)
上原万里子(東京農業大学副学長・応用生物科学部食品安全健康学科教授)
杉原たまえ(東京農業大学副学長・国際食料情報学部国際農業開発学科教授)

受賞作品紹介 

【最優秀賞】 尾本 響月 (愛媛県立長浜高等学校 3年) 

 
 
 
 

「特技を生かして地域貢献 ~観光マップで魅力発信~」

 SDGs17の目標:11 住み続けられるまちづくりを
 学びのキーワード:生態系・まちづくり・デザイン・地域ブランド・野生動物・動物・ツーリズム・植物・昆虫
          大自然・森・環境保全

【要 旨】私が住む愛媛県大洲市長浜は、山と海に囲まれた自然豊かな地域です。約2年半住んでみて多くの魅力が詰まった町であることに気づいたものの、近年この町は「観光客減少」の課題で苦しんでいることを知りました。この課題を改善したいと思い、自身の得意なイラストを生かして自然観察・観光マップを企画・制作・配布しました。課題解決に向けて行動することの大変さを感じ、地域の活性化に繋がる行動の大切さを知りました。

 

【優秀賞】 依田 奏音星(山梨県・東海大学付属甲府高等学校 3年) 

 
 
 
 

「荒川 Re:birth」

 SDGs17の目標:14 海の豊かさを守ろう
 学びのキーワード:生態系・環境保全

【要 旨】山梨県を流れる荒川を中心に展開しています。この川は地域の生き物を育み、人々の暮らしを支えてきましたが、近年その環境は大きく変わり、豊かさを失いつつあります。その現状に向き合い、川の命を取り戻すためのビオトープ整備、山の生態系を支える雑木林の再生、流域を守る外来種駆除、環境と地域を結び直す清掃活動を進めてきました。これらは単独の活動ではなく、荒川という流れによって有機的につながる取り組みです。

 

【優秀賞】 松岡 遼馬 (大阪府立城東工科高等学校 2年) 

 
 
 

「自作した植物工場を用いた世界的飢餓問題の解決案」

 SDGs17の目標: 2 飢餓をゼロに
 学びのキーワード:食料問題・光合成・野菜・まちづくり・栄養・スマート農園・植物

【要 旨】世界中の飢餓に苦しむ人たちを救うため、植物工場の製作と改良を行い誰にとっても住みやすい世界をつくりだそうと考えました。もし植物工場が今より安価で手に入れば、紛争によって作物や生活を破壊された国や地域などでも栄養問題は生まれず、食料という人間にとって最低限必要なものは確保できることになります。私たちが学校で学んだ工業の力で、このような大きな問題を解決したいと思ったのがこの研究に取り組んだきっかけです。

 

【特別賞】 小田桐 聖峻 (青森県立柏木農業高等学校 2年) 

 
 
 
 

「花育がつむぐ地域の未来 ~花壇の干ばつ被害を越えて~」

 SDGs17の目標:15 陸の豊かさも守ろう
 学びのキーワード:光合成・まちづくり・アグリビジネス・ガーデニング・ストレス

【要 旨】私たちは農業高校で花苗を育て、地域に届けています。干ばつで花壇づくりを諦める声を受け、原因となる気象データを分析しました。その結果、平均気温の上昇と降雨不足が判明しました。私たちは乾燥に強い苗を育てるため、酢酸による耐性研究に着目しました。試験の結果、リンゴ酢処理区で蒸散量の抑制と成長継続を確認できました。現在は幼苗期の試験に挑戦しています。私たちは地域のこどもが干ばつを恐れずに「花育」できるよう活動を継続します。

 

【特別賞】 吉田 百花 (神奈川県立厚木高等学校 2年) 

 
 
 
 

「生分解性ケラチンフィルムによる持続可能な包装材の可能性」

 SDGs17の目標:12 つくる責任つかう責任
 学びのキーワード:環境保全

【要 旨】身近な髪の毛から作られるケラチンフィルムに注目し、環境にやさしい包装材としての可能性を探ります。セルロースを加えて引張強度を高め、性能改善を試みる予定です。ケラチンフィルムは生分解性が高く、持続可能な素材として期待されます。課題はありますが、工夫を重ねながら少しずつ改善し、将来的に日常生活で役立つ包装材の開発につなげたいと考えています。

 

主催:東京農業大学 

【応募・問い合わせ先】
〒194-0022 東京都町田市森野1-34-10
高校生新聞社 コンテスト事務局
TEL.042-724-2750  FAX.042-724-2860
E-mail contest2025▲sclpa.jp ※▲を@に変えてください