創価大学理工学部に新たに加わる2学科「グリーンテクノロジー学科」「生命理工学科」。グローバルな環境で学ぶ新学科について、理工学部長の黒沢則夫教授に話を聞いた。

 
 

国の大型プロジェクトに学生も参加できる

前身となる共生創造理工学科は、環境科学分野と生命科学分野に分かれていましたが、近年、両分野における画期的な研究の進捗がありました。環境科学分野では、地球規模の課題解決に向けた大型国際プロジェクトが2件採択され、生命科学分野では、文部科学省が主導する、糖鎖の研究拠点の一つに本学の「糖鎖生命システム融合研究所」が選ばれました。こうした先端研究の内容をより深く学生に伝え、研究活動にも関わってほしいという理由から、共生創造理工学科を発展させ、グリーンテクノロジー学科と生命理工学科の2つを新設し、情報システム工学科との3学科体制に拡充することにしました。

グリーンテクノロジー学科は「再生可能エネルギー」「環境浄化」「生物資源の利活用」などをテーマに、地球環境が直面する課題とその解決方法を学び、研究する学科です。加えて、研究開発で得られた技術を社会に実装するために必要な、ビジネスや国際法なども学ぶことができる「文理融合型」の学科となります。

さらに、学生数の約2割に相当する人数の留学生を受け入れます。多様な背景や価値観を持つ仲間と学ぶことができ、国際感覚や多様性を尊重する精神が自然に身につく環境になるでしょう。

理工学部 学部長 黒沢 則夫教授

一方、生命理工学科では、従来の共生創造理工学科におけるバイオテクノロジー分野を中心に生命科学における教育と研究をさらに深めていきます。最近は「医工連携」という言葉があるように、医療で必要な先端機器の開発など医学と理工学の連携が求められています。科学技術の発展と心の豊かさを調和させたヒューマン・ウェルビーイング社会の実現に貢献できる人材育成を目指すのが生命理工学科です。なお、中学・高校の理科の教員免許取得も可能です。

 

国内外での研修で最前線の研究が待っている

グリーンテクノロジー学科では、環境エネルギー関連企業や自治体との連携プロジェクトを構想中です。

たとえば、排水処理と生物・エネルギー生産を組み合わせた装置の開発や、国内外の自治体とのバイオマス資源の活用といったテーマでの連携を検討しています。生命理工学科では、医療・製薬・食品業界の企業でのインターンシップや共同研究を通じて、リアルな研究・開発を体験する機会をつくります。いずれも海外での研修も検討中です。また、一般的には1年次から研究室に仮配属され、大学で行っている各種研究分野に触れられます。

新しい環境で地球規模の課題に挑もう

卒業後の進路として、グリーンテクノロジー学科では、環境コンサルティング企業、エネルギー関連企業、自治体の環境部門など、地球環境に貢献する職業を志すことができるでしょう。生命理工学科では、製薬会社、食品メーカー、バイオ系企業の研究機関などが考えられます。またどちらも、大学院進学を志す学生が増えることを期待しています。

高校生は「なぜ」「どうして」を持ち続けてほしい

 

今、世界が抱える大きな問題として、環境問題や食糧の安定供給、感染症、高齢化社会などが挙げられます。こうした課題に、科学と技術の力で挑戦するのが私たち理工学部の使命です。言い換えれば、グリーンテクノロジーや生命科学を学ぶことは、地球規模の課題に挑む最前線に立つということ。高校生の皆さんは、理科や数学が得意ということ以上に、「なぜ」「どうして」という問いを持ち続ける好奇心を持って日々の活動を行ってほしいと思います。部活動や探究活動を通じて、地道な観察や実験を積み重ねる姿勢やチームで協力する力は、いずれ研究活動で大きな力になります。

創価大学には、自分の関心や“好き”という気持ちを大切にしながら、社会の役に立つ知識と技術を学べる環境があるので、科学や技術にわくわくする気持ちが湧いてきた人は、ぜひ本学を目指してください。

提供:創価大学