現代詩の部 受賞者インタビュー
最優秀賞 『白い花びら』
神奈川県立湘南高等学校 井之川 帆南さん 作品はこちらからご覧いただけます
―受賞した感想を教えてください
受賞を聞いたとき、喜びでさけんでしまいました。小さいころから創作はしていたのですが、詩作は高校からはじめたので、最後の年でこのような賞をいただけてほんとうにうれしいです。
―このコンテストに応募しようと思った理由を教えてください
所属していた文藝部で共有されていたチラシを見たことです。おととしも応募させていただいたのと、全国の高校生のコンテストというところが魅力的でした。
―受賞作品の誕生秘話(こんな場面で思いついた など)や込めた思いを教えてください
授業で読んだ山月記に心を動かされてなにか描きたいと思っていたところ、例によって「あいつら」がやってきたのがきっかけです。私の家族はみんな虫が苦手で、「あいつら」の名を口にしないよう「白い妖精」と呼んでいたことにヒントをもらいました。
―受賞作品の創作にあたって、工夫したこと、苦労したこと、楽しかったことをそれぞれ教えてください
工夫したのはことばの区切りです。似たようなことばを並べつつ、前半と後半で雰囲気を変えたかったので、視覚的な部分にはとくにこだわりました。ことばあそびのようで楽しかったですが、正直、考えていたのは虫のことなので気分よくはなかったです……(笑)
―受賞作品の創作を通して、得たことや成長したことがあれば教えてください
この作品では後半部分に訳詩集「於母影」より「花薔薇」を、自分なりに現代語に訳して引用しています。訳も引用もはじめての試みでしたが、新たな表現手法の可能性を得られたと思います。
―創作活動は日頃から行っていますか?
はい
―創作活動の魅力はどんなところですか?
私にとって創作は日記と愚痴壺です。喜怒哀楽、どうでもいいこと、どうしようもないこと。作品になれば汚い思考にさえ意味が与えられて心が落ちつきます。創作の不思議であり魅力だと思います。
―創作のこだわりやポイント、日常のルーティーンのようなものがありましたら教えてください
私の創作のポイントは旧かなづかいです。好きな近代詩人の作品をより深く感じるために高校一年生から使いはじめたのですが、いまはエクリチュールとしての旧かなづかいがまとう余韻も作品の一部になっている気がします。
―創作活動に興味がある人、創作活動を始めようとしている人へアドバイスをお願いします
創作は、とりとめのない流動的な感情を刃でえぐる活動だと思います。うまくいかずいくつも傷をつけることになっても、もがきつづければすてきなことばが手に入るはずです。真善美、心に正直に。思考はあなただけの自由です。
★応募に関する情報は、応募概要ページでご確認ください。
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