新型コロナウイルスの感染拡大を受けて高校の休校を延長する県もあれば、予定通りに新学期を始める方針の県もあります。4月6日に高校を再開した茨城県では、知事が「茨城県は東京都などと状況は大きく異なり、学校を再開しても感染リスクは非常に小さい」(4月5日)などと説明する一方で、生徒や保護者から、休校延長を求める声もインターネット上では上がりました。茨城県の県立高校に通う3年生の女子生徒から、学校再開の前日に届いた、学校再開の見直しを求める声を紹介します。

「自主休校」は気軽にできない

政府からの休校要請の期限が明日、終わります。東京や一部の県では休校延長がなされています。しかし、私の住む茨城県では、通常登校と発表されました。

茨城県は3月半ばに初めて感染者が確認され、今では日々増加しています。

県南では東京に通じるつくばエクスプレスもあります。電車で通学する友達もいます。学校には消毒液等が十分とは言えないところもあります。マスクも買えません。先生方の異動もありました。そのような状況下で、学校再開というのはとても恐ろしいことです。

高校生は単位をとることが卒業に必要で、成績が受験の内申点にも関わるため、気軽に「自主休校」はできません。

家族に祖父母や幼い子がいる場合もある

学校は、集団です。自覚症状のない人が持ち込んでしまう可能性も高いです。学校から家へ持ち帰ってしまうかも知れません。

若者の死に至る可能性は低いといいます。でもゼロではありません。友達が死ぬかもしれない。体が弱い子もいます。みんながみんな強くはありません。

そして高校生は、ほとんど家族と住んでいます。家族が医療従事者や接客業者などの場合があります。感染はどこへでも広がります。祖父母や幼い子どもと住んでいる場合もあります。免疫力のない方は致死率が高く、最悪の場合もあります。

学校にいるのは先生方も同じです。先生方は若くはない人も多く、また先生方にも同様にご家族がいます。学校再開は悪夢に思えます。

高校生は声を上げていた

高校生などが黙っているはずはありません。署名活動やSNSでの声上げ、県に連絡をしている人も多くいます。学校再開と決まってから、ずっとです。

何か変わると思いました。公民では「地方自治は民主主義の学校である」と習いました。日本は民主主義です、だから県民の声がきっと届くと思っていたけれど、学校が再開されます。学校に行きたくなくて騒いでいるんじゃないのに。家族や、友達や、誰かの大切な誰かを、自分たちのせいで危険にさらしたくないだけなのに。こんなにも声は届かないのかと思います。こんなふうに、かき消されている声が、世界にはいっぱいあるんだと実感しました。こんなの、おかしいです。

(茨城県・高校3年女子)

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