「ジャパネット杯 春の高校バレー 第72回全日本バレーボール高校選手権大会」が1月5日から東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで開催される。大会を盛り上げるだろう女子の注目選手を紹介する。(田中夕子)

宮部愛芽世 物おじしない度胸あり、3連覇狙う

昨年、一昨年に続く三連覇を狙う金蘭会(大阪)。中心になるのは1年時から優勝を経験、日本代表候補にも選出された宮部愛芽世(3年)だ。初めて春高を制覇した2年前も物怖じしない度胸の良さを発揮。プレッシャーがかかる試合になるにつれ、高いパフォーマンスを発揮した。

宮部愛芽世(2019年1月春高の決勝、幡原裕治撮影)

高い攻撃力を擁する宮部に注目が集まるが、総合力、組織力を武器とするのも金蘭会の強さの1つ。アンダーカテゴリー日本代表で活躍する選手を多く擁し、選手自身が「考えて動く」スタイルは健在。今季はインターハイ、国体とタイトル獲得には至らず、並々ならぬ思いで迎える春高で、どんなパフォーマンスを発揮するか。注目したい。

岡﨑凜華・大山遼 力強いバレースタイルで魅せる

優勝争いに目を向ければ、インターハイを制した古豪・就実(岡山)も総合力の高さを誇る。1年時から経験を重ねた岡﨑凜華、大山遼ら3年生を主軸に攻撃力の高さは抜群。サイドアタッカー頼りでなく、ミドルエースの攻撃展開も積極的で、スピードや技だけを重視するのではなくしっかり助走を取ってボールを叩く。力強いバレースタイルも特徴。日本代表で活躍するOG石井優希にも代表されるパワーバレーでインターハイに続く二冠達成となるか。

ミドルブロッカー・荒木彩花 攻守の柱としてチームけん引

注目校はまだまだある。インターハイを制した就実に国体で勝利した東九州龍谷。長年チームを率いた相原昇・前監督がアンダーカテゴリー日本代表監督に就任したが、緻密さを武器とする高速コンビバレーは健在。昨年の決勝も経験し、今夏のU20日本代表として出場した世界ジュニア選手権で優勝したミドルブロッカーの荒木彩花(3年)が攻守の柱としてチームを牽引。新体制で頂点に返り咲く力は十分に秘めている。

強豪ぞろいの東京 ニューヒロイン現れるか

すべての高校生バレーボール選手にとって憧れの場である春高。どの都道府県も予選を勝ち抜き、全国大会へとたどり着くのは至難の技ではあるが、なかでも全国最大の激戦区と言っても過言ではないのが開催地・東京。第4シードから樋口友梨(1年)、廣田あい(1年)といった1年生の活躍で下北沢成徳、八王子実践を破り第一代表として春高出場を決めた文京学院大女子。平均身長176センチの高さを誇る八王子実践。さらには下北沢成徳との熾烈な第三代表決定戦を勝ち抜いたインターハイ準優勝の共栄学園など、経験と自力の高さを持つ強豪校がズラリと揃う。

もともと持ち得る力をいかに発揮できるか、という点に加え短期決戦だけに、シンデレラガールとも言うべき、ニューヒロインの誕生もチームを勢いづける要素になるのは間違いない。すべてのチームに与えられたチャンスをつかみ、頂点へ駆け上がるのはどのチームか。積み重ねた練習の成果を発揮する舞台は、間もなく開幕だ。