10月1日から消費税の税率が引き上げられた。多くの商品やサービスがこれまでの8%から10%に引き上げられ、外食を除く飲食品などは軽減税率が適用されて税率8%に据え置かれる。消費増税にあわせて実施される「ポイント還元制度」の仕組みや利用方法をQ&A形式でまとめた。

Q ポイント還元制度とは?

A 中小のお店などで、現金を使わないキャッシュレス決済で買い物をした場合に、原則、買い物額の5%か2%がポイントとしてもらえる制度だ。2020年6月末までの9カ月間に限り実施される。

Q なぜ実施されることになったの?

税率が上がることによって買い物が減って景気が悪くならないようにする狙いや、中小のお店を支援する狙いがある。国はキャッシュレス決済を増やしたいとも考えており、こうしたしくみになった。

Q キャッシュレス決済とは?

A クレジットカードやデビットカードのほか、「Suica(スイカ)」や「PASMO(パスモ)」といった交通系ICカードの電子マネーを使った支払いのほか、「PayPay(ペイペイ)」や「LINE Pay(ラインペイ)」など最近宣伝が増えているスマートフォンアプリを使ったQRコード決済などのことだ。

ポイント還元を受ける方法は(キャッシュレス決済・ポイント還元事業のPR資料から)

Q どこのお店で利用できるの?

A 10月の開始時で、全国の約50万のお店が対象で、今後増える見通しという。制度の対象となる店舗は全国で約200万あるとされるが、国に申請して審査を受ける必要がある。手続きを嫌って申請しないお店やそもそもキャッシュレス決済に対応する考えのないお店もあるため利用できる店舗が限られる。

Q 利用できるお店をどう見分ければいいの?

A 経済産業省が作ったポスターやシールが店に張り出されることになっている。経産省の公式ページから、対象の店舗が調べられるほか、地図上に対象のお店が表示される公式アプリも作った。「キャッシュレス・ポイント還元」などで検索すると出てくる。

Q ポイントが買い物額の5%か2%で分かれるのはなぜ?

A 中小のお店は買い物にかかる税込み額の5%がポイントとして戻ってくる。セブン―イレブン、ファミリーマート、ローソンといったコンビニエンスストアなど大企業のチェーン店は、お店の経営のタイプによってポイントが変わるが、税込み額の2%が戻ってくるお店が多い。本部の直営店は制度の対象外だが、会社負担でポイントを戻すことを決めた。ただし、駅の中にあるコンビニなどは、ポイントが戻らない場合もある。

Q ポイントをもらうのに手続きは必要なの?

A クレジットカードやICカード、QR決済などを運営する会社ごとに、ポイント還元の仕組みも、ポイントが還元される時期も異なる。買い物をした翌月にポイントが与えられたり、支払った時点で、ポイント分が支払い額から差し引かれたりといった具合だ。PASMOのように事前に登録しないと還元が受けられないケースもある。月ごとなどのポイント上限額が設定されている場合もある。経産省の公式ページからポイント還元される決済サービスを調べられる。