全国高校総体(インターハイ)陸上の女子走り幅跳び決勝が2019年8月6日に沖縄県沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで行われ、昨年のU18日本選手権覇者の北田莉亜(大阪・摂津3年)が6メートル11(追い風1.0メートル)を跳び、3度目のインターハイ出場で悲願の初優勝を飾った。(文・小野哲史、写真・幡原裕治)

「3年間で一番調子が良かった」

自己ベストは1年生だった2年前にマークした6メートル17。しかし、今季はまだ6メートルジャンプがなく、近畿大会の5メートル93が最高だった。今ひとつ記録が出ていなかった点について、北田は「自分の感覚がピンと来ないというか、調子が上がっていなかった」と分析する。インターハイに向けて、「いつも以上に跳躍練習を入れました。長くて2時間半ぐらいを週2回は入れた」ことで徐々に調子が上がっていき、「3年間で一番調子が良かった」という状態で今大会を迎えていた。

 

この日は風も味方につけて、1回目にいきなり6メートル09(追い風2.9メートル)を跳び、トップに立った。その勢いで2回目に6メートル06(追い風1.7メートル)、3回目に優勝記録となる6メートル11。「助走のスピードをそのまま跳躍につなげて、きれいに抜けることができました」と話し、トップ8に進んでからも、5回目に6メートルを超えた。「今まで1試合で1回、キャリアの中でも2回しか跳んだことがない」という6メートルジャンプを連発し、アベレージの面でもライバルを寄せつけなかった。

悔しさバネに「気持ちで勝てた」

インターハイでは1年次に9位、前回は10位と、いずれもあと一歩のところで入賞を逃していた。「その悔しさをバネにこの1年間やってきた。気持ちで勝てたと思います」と北田。身長171センチという恵まれた体格と、心の充実、さらには自らが「武器」と語るパワーが相まって、ダイナミックな跳躍と好記録に結びついた。

 

次なるターゲットは明確だ。「近い目標は、(8日に行われる)三段跳びでも優勝すること。走り幅跳びでは秋のシーズンで6メートル30を跳ぶことです。今日、6メートル11を跳んだときももっと行けそうな感覚があったので、30も跳べるイメージはあります」。その口ぶりは快活で、表情には自信が満ちていた。