勉強法についての悩みに、多くの受験生を合格へと導いてきた各教科の先生が、大学受験突破のためにアドバイス。駿台予備学校の数学科講師の永島豪先生に、難関私大の数学を解くためのポイントについて答えてもらった。(構成・安永美穂

Q.難関大学の入試の数学対策のポイントは?

A.易しい問題を自力で数多く解くと良い

まずは易しい問題で機械的に量をこなそう

スポーツでは、素振りなどの体慣らしを毎日欠かさずに行うことが実戦演習でも成功する秘訣であるが、数学でも同様である。まずは易しい問題を機械的に数多く解くと良い。数値が変わっただけの問題を数多く解こう。そして、記号や考え方に慣れよう。機械的に量をこなし、答を合わせられることが大事である。

参考書にレベルが設定されている場合は、まずは全単元、一番易しいレベルの問題を解いてみよう。単元によっては簡単であり、正解が多く出るかもしれないが、それを楽しめるようにしよう。

機械的計算に慣れたら「理由」を考えよう

機械的にこなすことに慣れてきたら、次に理由を考えよう。なぜこのような機械的なことをして正しい答えが求まるのか、理由を把握してみるのである。すると機械的な行動の意味が理解でき、ますます楽しくなるであろう。

参考書にレベルが設定されている場合は、全単元、次のレベルの問題を解いてみよう。それが終わればさらに次のレベルに進もう。

なお、間違えた問題は赤ペンで答えを書き写しても意味がない。解答を見たら解答を見ずに、ノートに解き直すのである。手が止まれば、また解答を見てよいが、それを再び隠して書くのである。少しでも自分の力で解くようにしよう。確かに答えを写すより、時間がかかるが、自分の力で解けないと全く意味がないのである。

手を動かして書くことが大事

上記を行う際の注意点は、手を動かしてノートに丁寧に書くことである。テレビや動画サイトを見るように、インプットだけで理解したつもりになっても、アウトプットをしていないと、試験では書けないのである。普段から、式や図形や座標平面上の曲線などをノートに丁寧に書くことが必要である。そう、数学は確実な作業をするという忍耐力が必要な教科なのであり、それを育む教科なのである。

 

永島豪先生

(駿台予備学校 数学科講師)

ながしま・ごう 京大大学院で航空工学を専攻。航空会社に勤務後駿台へ。高校数学のまとめをウェブで公開中。