【新テストも怖くない! 受験勉強の王道3】数学 永島豪先生(駿台予備学校 数学科講師)

各大学の入試や大学入学共通テスト(新テスト)にも対応できる勉強法を、駿台予備学校の永島豪先生に教えてもらった。

答案に向き合う忍耐力

新テストが「太郎と花子による会話形式の問題」にこだわるのは、2人のように試行錯誤して問題解決する力を重要視しているからと考える。それはすなわち、「高校生にその力をつけてもらいたい」というメッセージだろう。

すぐ解答を見ようとし、作業を片付ける能力も必要とは思うが、それは我慢ができない人を育てることになる。忍耐強く熟考して、他人と相談しながら問題解決にあたる能力も大事だ。

そのために、まず手を動かして答案を丁寧に書いてみよう。その後、模範解答と比べて良く検討してみよう。最後に、少しでも自力でその解答を書けるように努力しよう。書けないのであれば、何が不足しているのかを考えて補おう。この3つを実践できるだけの忍耐力をもちたい。

先生の口頭説明もメモ

次に新テストが「記述式問題」にこだわる理由は、他人に自分の意見を伝える力を重要視しているからと考える。この力をつけるためには以下のようにすればよい。

まず授業中は、ノートに数式や結果だけをかくのではなく「なぜこの変形をするのか」という先生が口頭で話す理由もメモしよう。「○○なので、△△は(数式)である」のように、日本語の説明の中に数式を入れると、流れが分かり、他人に説明しやすくなる。

次に問題演習では「なぜこの考え方・変形をするのか」「なぜ他の考え方はしないのか」という理由を考えて、それを文字に起こしながら答案を書いてみよう。「数式しか書かない」人は「説明が書けない」のであり、他人に説明できないということは、自分がわかっていないということなのだ。

最後に解答を見た後は、自力で問題が解けるかどうかを考えるとよい。例えばスポーツなら「見るだけでなく行動してみないと出来るようにはならない」と良く分かっているが、数学も同様だ。「解答を見るだけ」や「解答を赤ペンで書き写すだけ」では、その問題を解けるようにはならない。

計算ミスで悩んでいるのであれば「ミス」ではなく「間違い」と受け止め、汚い字で書いたから、などという根本原因を考えて、答案を数行書くごとに振り返りながら書いていくなどの対策を打とう。 (構成・安永美穂)

 
 

永島豪先生

(駿台予備学校 数学科講師)

ながしま・ごう 京大大学院で航空工学を専攻。航空会社に勤務後駿台へ。高校数学のまとめをウェブで公開中。