初出場ながら多彩な技で優勝した吉岡光

第41回全国高校柔道選手権が3月20、21 の両日、日本武道館(東京)で行われ、個人戦の女子48キロ級では、吉岡光(千葉・八千代1年)が初出場で優勝を果たした。接戦となった初戦を乗り切ると、2戦目以降は、武器である投げ技や取り組んできた寝技がさえ渡った。全国中学校大会に続く、日本一のタイトルを手にした。 (文・写真 小野哲史)=学年は大会時

自分のスタイルで挑む

「初戦(2回戦)を僅差で勝ち切れたことで勢いに乗れました」と振り返るように、3回戦は開始7秒に得意の背負い投げで圧勝。4回戦を危なげなく突破した後、準決勝は袖釣り込み腰、決勝は延長の末に送り襟絞めと、多彩な技で一本勝ちを重ね、頂点に駆け上った。「どんな相手でも自分のスタイルを崩さずに戦う。それができれば必ず優勝できると思っていました」

今大会に向けては得意技を磨きつつ、寝技も強化してきた。その成果もあって、決勝では優勝候補だった相手を失神させている。「試合内容は満足していませんが、優勝できたことは良かったです」

「やるぞ」覚悟決め

試合では「いつも緊張している」と笑うが、いざ戦いが始まると、ひるむ様子を見せることなく、果敢に相手に立ち向かっていく。「畳に上がったらやるしかない。自分で『やるぞ』を決めて臨むようにしています」

悔しさで強くなる

翌日の団体戦でも吉岡は全試合に先鋒として出場し活躍したが、3回戦で一本負けし、チームも敗れた。熊野耕二監督は「本人が一番悔しいはず。でも、この負けが彼女をさらに強くする」と、吉岡のさらなる成長に期待する。

次なるターゲットは「(今月の)全日本カデ。目の前の試合を一つ一つ勝ち上がっていくことが目標で、最終的にはオリンピックに近づけたらと思っています」

高校王者として、今後はライバルたちからマークされる存在になる。だが、吉岡は決して受け身にならず、自らのスタイルを貫くつもりでいる。

Q&A 歌うことが好き

Q 普段のリラックス方法は?

A 歌うことが好きで、たまに家族でカラオケに行ったりします。得意な曲はMISIA の「逢いたくていま」です。

Q 学校での授業は?

A 勉強はあまり得意ではありませんが、体育の授業は好きです。

Q 好きな食べ物は?

A めかぶやもずくが好きです。

Q オフの日の過ごし方は?

A 疲れている日は家でゆっくりしますが、子どもの頃に通った道場に顔を出したりします。

よしおか・ひかり。2002年9月21日、千葉県生 まれ。八千代台西中卒。習志野柔道クラブ出身。幼稚園の年長で競技を始め、中学3年では全国中学校大会44キロ級で優勝。昨年の全国高校総体ではベスト16進出。尊敬する柔道選手は父親。150センチ、48キロ。