「寝ても寝ても眠い」「すっきりと目覚められない」といった睡眠に関する悩みの原因と対策について、睡眠科学を専門とする医師の大川匡子先生(睡眠総合ケアクリニック代々木理事)に聞いた。(野口涼)

Q. 朝すっきり起きられません。どうすれば目覚めが良くなりますか?

A. 朝の光を浴びるのが大事。

「朝なかなか起きられない」「アラームが鳴っても止めて二度寝してしまう」「午前中は体も頭も重い」。原因の多くは夜更かしです。十分な睡眠時間を確保できれば解決しますが、それが難しいときに心がけたほうがよいことをお伝えします。

休みの日もいつもと同じ時間に起きよう

朝の目覚めを良くする鍵は「朝の光」。私たちの体内時計はもともと24時間より少し長く、目から入ってきた光を脳がキャッチすることでリセットされます。毎朝同じ時間に朝の光を浴びることで、遅れがちな体内時計を早めることができます。

朝はカーテンを開けて太陽光を部屋に取り入れること。通学時に明るい空を見上げるのもよいでしょう。なお、学校が休みの日に朝寝坊をすると、体内時計は簡単に後ろにずれてしまいます。予定がなくとも平日と同じ時間に起き、朝の光を浴びるようにしましょう。

体内時計は内臓や筋肉などにもあります。なかでも内臓の体内時計は食事をとることでリセットされます。毎朝決まった時間に朝食を食べることでも、体と心を目覚めさせることができます。

 

大川匡子先生

おおかわ・まさこ  医学博士。睡眠総合ケアクリニック代々木理事。携わった書籍に『睡眠障害の子どもたち』(編著)、『睡眠のなぜ? に答える本』(監修)など。