大学入試センターは1月25日、19日に実施したセンター試験本試験「倫理」の小問1問の正解を訂正すると発表した。4つの選択肢から「適当でないもの」を1つ選ぶ設問だったが、当初公表した正解である選択肢②に加え、選択肢①も正解とした。高校教員から大学入試センターに指摘があり、検討した結果、訂正を決めたという。

2019年度センター試験「倫理」の第1問問6。正解が訂正された

「倫理」の第1問の問6(配点3)が対象。近代以降の日本における家族や結婚のあり方についての記述として「適当でないもの」を4つの選択肢から1つ選ぶ問題だった。

当初、正解(適当でない内容)とされたのは、選択肢②「高度経済成長期以降の日本では、核家族が主要な家族形態として定着し、全世帯に占める核家族の割合は増加の一途をたどってきた」。一方、選択肢①「高度経済成長期以前の日本では、親子だけでなく、祖父母や親族が一緒に暮らす大家族(拡大家族)が一般的な家族形態であった」については、当初は不正解(適当な内容)という扱いだったが、高度成長期以前も核家族の割合が最も高いことから、核家族のほうがより一般的だという観点からみれば「適当でない」選択肢とみなせるため、追加で正解としたという。

「核家族」は、夫婦と未婚の子どもから成る家族のこと。日本では1960~70年代に核家族の割合が増えたが、80年代に入ると単独世帯の割合が増加した。

大学入試センターによると、試験実施後の1月23日に北海道の高校教員から問い合わせがあり、倫理の問題を担当する委員会で検討した結果、正解の訂正を決めたという。センター試験の正解が訂正されたのは、2015年度の世界史Bや数学2・Bなどのケースがある。