勉強法についての悩みに、多くの受験生を合格へと導いてきた各教科の先生がアドバイス。駿台予備学校の化学科講師の黒澤孝朋先生に答えてもらった。(構成・安永美穂)

Q.化学の問題を解くとき、テストや模試を見直すときに心掛けるとよいことは?

A.自分がどの段階でつまずいているのかを分析し、分かるまで復習を。

 

間違えた問題に関しては、自分がどの段階でつまずいて解けなかったのかを分析することが重要だ。

問題の内容が読み取れなかったのであれば、基礎的な知識から復習していく必要がある。用語の意味が分かっていない場合は、教科書を読み直して用語の確認から始めよう。用語は分かっていても個々の反応について理解できていない部分がある場合は、どのような性質を持つ物質が組み合わさることで、どのような反応が起こるのかを具体的にイメージしながら整理していくとよい。

問題の内容がしっかり読み取れたのに正解できなかった場合は、つまずきの原因をさらに細かく分析する必要がある。どの公式や法則を使えばよいかが分からなかった場合は、「問題で聞かれていることは何か」という目的を明らかにしたうえで、どのような式を立てればよいかを考え直してみよう。計算式に誤った数値を入れてしまったのであれば、その公式や法則の意味をもう一度よく確認しておく必要がある。なお、密度や濃度に関しては、普段から問題演習の際に「この物質ならこれくらいの数値になる」ということを意識しておくと、大きすぎる、または小さすぎる値が出た場合には、計算ミスがあるのではないかという観点で見直しができるようになる。

日頃から「この問題が解ければいい」とだけ考えるのではなく、「大学進学後や社会に出てから必要になる化学的な常識を身につけよう」という意識で勉強し、分からなかったことについては分かるまで復習する姿勢を身につけておいてほしい。

 

黒澤孝朋先生

(駿台予備学校 化学科講師)

くろさわ・たかとも 現役生から高卒生までの上位クラスを中心に指導。本質を大切にした分かりやすく丁寧な授業は、幅広い生徒から支持を得ている。