シニアに転向した初シーズンで平昌オリンピック出場を果たし、個人戦6位入賞に輝いた坂本花織(兵庫・神戸野田3年、シスメックス所属)。女子フィギュアスケート界のニューヒロインは、来年の世界フィギュアスケート大会出場を目標に、新たな挑戦を始めている。 (白井邦彦)

減量が自信になった

これまでの高校生活で最も印象に残っている試合は、昨年12月の全日本フィギュアスケート選手権大会だという。平昌オリンピック出場を決めた大会だ。

「大会前からいけると思っていた」と振り返る理由は、体重をかなり絞っていたからだと話す。「これで結果を残さないと(減量の)苦労が水の泡に…。絶対にいけると自分に言い聞かせて、全てを出し切ったのがいい結果につながったのだと思う」

ショートプログラム(SP)ではノーミスで自己ベストを更新した。しかも、大会3連覇中だった宮原知子(関西大学所属)を抑えての1位に。「夢みたいなことが起こった。やればできるやん」と自信をつけたそうだ。

だが、想定外のショート1位によって、翌日のフリーが「大嫌い」な最終滑走になってしまった。「とにかく待ち時間が長いから嫌い。しかも、リンクはみんなが滑った後なのでボコボコ」

それでもフリーをほぼノーミスで終え、宮原に次ぐ総合2位でオリンピック出場を決めた。「平昌はご褒美みたいな感じ。印象に残っているのは、やっぱり全日本選手権ですね」

声入りの曲で初挑戦

9月のイタリア・ロンバルディア杯から坂本の今シーズンは始まった。ショート、フリーともに曲と振り付けを変え、心機一転で挑んでいる。

初の試みは「ショートの曲をボイス入りにしたこと」。声が入った曲は振り付けとの動きがシンクロしていないと、ズレが目立ちやすい。「私にとってはかなりの挑戦です」

だが、成功すれば他の選手があまりやっていない分、インパクトは大きい。先を見据えての挑戦だ。

「来年、埼玉で世界フィギュアスケート選手権が行われます。絶対に出たいですけど、日本のレベルは高いので…。勝つためのボイス入りのショートです」

常に挑戦する姿勢を忘れないのが坂本の持ち味だ。

Q&A back numberが好き

Q. 休日の過ごし方は?

A. 休日前に練習をめっちゃ頑張っていたら、ひたすら寝ます。みんなと同じくらいしか練習していなかったら、買い物とか、映画とかに行きます。

Q. 好きなアーティストは?

A. back numberです。試合前にも、気が向いたら聴きます。でも、アップの時は音楽を聴きません。

Q. 好きな食べ物は?

A. 焼き肉です。

Q. 試合前のルーティンは?

A. アップはいつも通りやって、本番前に耳を引っ張ったり、コーチに背中をポンと押してもらったりですね。

Q. 遠征の移動時の過ごし方は?

A. 基本的にはDVDで映画を見たり、iPadで動画を見たり。テスト前なら勉強します。

さかもと・かおり 2000年4月9日生まれ、兵庫県出身。渚中学卒業。18年四大陸選手権優勝、17年スケートアメリカ2位、17年世界ジュニア選手権3位、16年ジュニアグランプリファイナル3位など。158センチ、体重は秘密。