高校生に知ってほしい、正しい勉強方法の基本について、家庭教師や塾経営を経て参考書などを多数執筆している船登惟希さんに教えてもらった。(安永美穂)

Q. 参考書の選び方、使い方のポイントは?

 

A. 簡単で分かりやすいものを繰り返し使おう。

まずは「補助輪参考書」を用意する

参考書には、大きく分けて「辞書型参考書」と「補助輪参考書」の2種類があります。「辞書型参考書」は全範囲を網羅したもので、分からないことがあったときに、その部分を調べるために使います。「補助輪参考書」は教科書よりも詳しい解説が載っているもので、予習や授業中に分からないところを確認したいときなどに役立ちます。授業や教科書の内容をしっかり理解するためには、まず「補助輪参考書」を用意しましょう。

やさしめの分かりやすいものを選ぶ

補助輪参考書は簡単で分かりやすいものを選び、何度も繰り返し使うことが大切です。予習のときは、次の授業の範囲にサッと目を通して大枠をつかみます。授業中も分からないことがあれば、補助輪参考書を見て確認しましょう。

授業の進度が速い場合は、補助輪参考書に書いてある内容だけは授業中に理解することを目標にします。そして、問題集を解いたときや模試の後で「よく理解できていない」と感じる部分があれば、必ずこの補助輪参考書に戻って復習しておくことが重要です。

1冊を使い込むことが大切

やさしい参考書は1回読んだだけで分かったつもりになってしまう人がいますが、何度も読み返すことで「前は読み飛ばしていたけれど、こういうことだったのか」と理解が深まっていくものです。難関大を志望する人もいきなり難しい参考書に手を出さずに、まずは分かりやすい補助輪参考書を用意して、その1冊をじっくり使い込むことを心掛けましょう。

船登惟希(ふなと・よしあき)  東京大学理学部化学科卒業。学習参考書などを多数執筆。著書に「高校一冊目の参考書」(KADOKAWA)、「高校の勉強のトリセツ」(学研プラス)など。