生徒が作った行灯

私が通っている札幌北高校(北海道)の文化祭「北高祭」(7月6~8日)で行灯(あんどん)行列を行った。行灯行列とは、行灯と呼ばれる人形の灯籠を、全校生徒が担ぎながら学校周辺を練り歩くもの。毎年行う伝統行事だ。

準備期間は学校の駐車場にテントが並ぶ。約1カ月間そのテントの中で、主に朝と放課後と土曜日にクラスごとに行灯を製作する。

横幅4.5メートル、高さ2.5メートル、奥ゆき1.8メートル以内の大きさで、まず著名な絵や物語などをモチーフとした行灯をデザインする。木材で土台を作り、その後、針金で形を作り、電球を取り付け、耐水性のアクリル絵の具で色を塗った和紙やロール紙を貼り付けて完成だ。クラスの中で針金担当、電飾担当、色塗り担当というように役割を決めて作業する。

北高祭初日の夜7時ごろ、行灯行列がスタートした。大きな掛け声とともに札幌の街を練り歩く。だんだんと日が落ち、暗くなった街に映える行灯の姿は圧巻だ。

特に3年生の行灯は本当に素晴らしい。躍動感があり、人形の表情が豊かで、色もきれいだ。難しく複雑な構造や、工夫を凝らした着色などは3年生にしかできないものだ。後輩たちは来年以降、追いつこうと、越えようとする。そうして伝統は受け継がれていく。
(高校生記者・長谷川温音=1年)