学校生活の中で感じるさまざまな不安にどう対処すればいいんだろう。人形町メンタルクリニック(東京)院長の勝久寿先生に聞いた。(山口佳子)

Q.受験や進路選択……将来のことが不安で、夜になっても眠れません。

 

A.不安の捉え方を変えてみよう。

高校生のあなたが将来のことが不安だということは、例えば、第一志望の大学に進みたいといった願望があるのではないでしょうか。

第一志望の大学に入れるだろうか、という向上心に伴う不安は誰にでもあるものです。この不安だけにとらわれてしまうと、いろいろなことが考えられなくなったり、夜眠れなくなったりしてしまうかもしれません。でも、「こういう不安があるのは向上心があればこそ」「できることからやっていこう」ととらえることで、不安があってもやりぬく可能性はぐっと広がります。

希望した大学に入りたいという願望を達成するためには、どのような勉強をしたらいいのかに注意を向け、十分に準備をしましょう。この時、今自分ができることと難しいことを判断し、現実にできることを積み重ねていくことが大切です。

少し余裕がある時にノートを書いてみよう

受験が間近になってくると、焦ってしまい、できることとできないことの判断ができなくなる可能性もあります。そんな時のために、少し余裕がある時に、「最終的にはこの問題だけをやろう」というノート等をまとめておくのがおすすめです。ページ数が少ないノートを見ているうちに落ち着き、それをまとめた当時に学んだ周辺の記憶などもよみがえり、勉強がはかどるという効果も期待できます。

 

 
勝久寿先生
(人形町メンタルクリニック院長)
かつ・ひさとし 精神科専門医。著書に「『いつもの不安』を解消するためのお守りノート」(永岡書店)。