世界の高校生らが地学の問題を解いて競う第12回国際地学オリンピック(IESO)が8月8日から17日までタイで開催され、38カ国・地域の代表139人が参加。日本代表の高校生4人は、金メダル3個、銀メダル1個を獲得した。国別メダル獲得数は、米国(金メダル4個)に続き、参加国中2番目の好成績だった。

文部科学省の新妻秀規大臣政務官(中央)に地学オリンピックの結果を報告した4人。左から河村菜々子さん、大野智洋君、青沼恵人君、田中匠君(8月22日、文部科学省)

競技は、筆記試験と実技試験があり、参加者の上位約1割に金メダルが、続く2割に銀メダルが授与される。

日本代表の成績は次の通り。

青沼恵人君(東京・筑波大学附属駒場高校3年) 金メダル

大野智洋君(兵庫・甲陽学院高校2年) 金メダル

田中匠君(神奈川・栄光学園高校3年) 金メダル

河村菜々子さん(三重・高田高校3年) 銀メダル

国を超えてグループを組んで巡検をするなど国際交流のプログラムも組まれている。出し物をする行事で4人は「ポケモンならみんな知っているはず」とピカチュウのかぶりものをして、歌ったり踊ったりして盛り上げたという。

高校では地学を選択できない場合が多く、代表4人のうち高校で地学の授業を受けたのは田中君だけだった。各自、参考書を読んだり、独自にフィールドワークをしたりして学んできたという。「地学はマイナーだが、世界から地学好きが集まり、仲間意識から気楽に話せた」と大野君。

8月22日、文部科学省に報告のために訪れた4人に地学の魅力を尋ねると、「過去の地球の姿を見られるところ。時の移り変わりに思いをはせられる」(青沼君)、「目の前の石から宇宙までというスケールの広がり」(大野君)、「物理や数学などいろんな分野を総動員して地球や宇宙を考察できるところ」(田中君)、「小さい手がかりから過去の地球や宇宙など大きなことが分かるところ」(河村さん)と話した。

青沼君、大野君、田中君は大学でも地学を専攻したいという。河村さんは経営学を学び、家の事業を継ぐ。「地学の経験をいかした事業をできたら」と話していた。