高校生に知ってほしい、正しい勉強方法の基本について、家庭教師や塾経営を経て参考書などを多数執筆している船登惟希さんに教えてもらった。

「解ける」問題を増やそう

成績を上げるためには、成績がどのように決まるかを知っていなければなりません。実は成績は、次の式のようにして決まるのです。

成績 = できるようになった問題の数 ÷ 出題されうる問題の数

「出題されうる問題」とは、テストや模試、入試で出題される可能性のある問題のこと。「そんな問題どこで入手できるの?!」と思ったかもしれませんが、これは実は、問題集に載っている問題のことなんです。まずは問題集に載っている基本問題や典型問題を解けるようにしましょう。これらの問題が解けるようになると、その類似問題や少し発展したレベルの問題も解けるようになります。

ちなみに、過去に一度だけ入試で出されたような特殊な問題や、誰も解けないような超難問は「出題される可能性が低い問題」です。良い問題集には、このような問題の掲載は少なく、より広く応用の効く問題が掲載されています。

「できるようになった問題」とは、解答・解説を見ず、解説と同じように自分で解答が作れるようになった問題のこと。答えを見て解き方がわかった問題は「できるようになった問題」ではないので注意が必要です。「わかる」だけではなく「解ける」ようになった問題を増やしていくことが大事なのです。

 

船登惟希(ふなと・よしあき) 東京大学理学部化学科卒業。学習参考書などを多数執筆。著書に「高校一冊目の参考書」(KADOKAWA)など。
 
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「高校での勉強は中学の10倍大変」「教科書で勉強せず,まずは補助輪参考書を使え」など、先輩たちが早めに知りたかったテーマが満載。マンガとイラスト図解で読みやすい。