春季都大会で大きく成長した関根智輝

1999年と2001年に甲子園出場を果たした城東(東京)。都立校の快挙に当時の地元は大いに沸いた。あれから15年の歳月がたち、今春、東京都大会でベスト8に進出。投打の軸として注目を浴びているのが関根智輝(3年)だ。チームの大黒柱はこの夏、大車輪の活躍を誓っている。
(文・写真 手束仁) 

せきね・ともき 1999年1月13日生まれ、東京都出身。新宿(にいじゅく)中卒。小学1年から野球を始め、正式に投手となったのは6年生から。中学時代は野球部で、3年時はエースで4番。中学時代は区大会ベスト8が最高。182センチ、86キロ。

筋トレと食事改善で成長

私立校が圧倒的に強い東京都で、城東は昨秋に続き、この春も都立校として唯一ベスト8に残った。エースで4番の関根は、打っては3回戦、4回戦、準々決勝の3試合で4本塁打、投げては強豪の創価を1失点に抑え、関東一と引き分けるなどの大活躍だった。

「冬にバランスのいい食事を心掛けたことと筋トレの成果でパワーが増しました」と、自分自身の成長を実感している。

試合2日前に100球投げる

昨年12月から指揮を執る池上茂監督は「記録などを見ると関根の力で勝っているのが分かります。ですが、そう(関根1人の力で勝った)とは見えないチームです」と言う。

チームは、選手たちが意見を言い合える自由な雰囲気だ。関根は「その雰囲気が自分にもうまく合ったと思います」と話す。「関根が1人で王様になっていないから、チームで力を発揮できているのだと思います」と、主将の高野慎太郎(3年)も認める。

2度の甲子園出場の経験がある城東は、地元の大きな期待を担う。関根は、勝ち上がれば1日おきで登板することも想定している。週末の試合に備えて投げる予定の2日前には100球以上投げ込むなど、夏の戦いを見据えた調整に余念はない。