福岡・福岡中央高校図書委員会に

珠玉のミステリー小説を選んでもらいました。(価格は税込み)

 

ゴールデンスランバー

伊坂幸太郎著(新潮文庫、1015円)

 

◆冤罪(えんざい)の男の逃走劇

主人公・青柳は、友人の森田と数年ぶりに再会したが、様子がおかしい。「オズワルドにされるぞ」と言っている。直後、首相が暗殺され、森田は逃げろと言う。青柳は逃げる。青柳は犯人にされてしまう。なぜ自分が? でも、逃げるのをやめたら捕まる。だから、逃げる。逃げる。これは首相暗殺犯にされた男の物語。映画にもなった傑作だ。(なりみ───・2年)

 

いなくなれ、群青

河野裕著(新潮文庫nex、637円)

 

◆なくした物は、何?

捨てられた人々が集う島「階段島」。地図にないその島で、主人公・七草は2年ぶりに真辺に再会する。誰よりも真っすぐな彼女が島に来て、停滞していた島の時間が動き出す。美しい心理描写で描かれる青春ミステリー。彼らは誰に捨てられたのか。一度読んだら忘れられない物語だ。(柴田和佳さん・1年)

 

ビブリア古書堂の事件手帖~栞子さんと奇妙な客人たち~

三上延著(メディアワークス文庫、637円)

 

◆本を通して人を知る

主人公・大輔は幼少期のトラウマで、本を読みたいのに読めない体質だ。そんな彼と本との懸け橋となるのは「ビブリア古書堂」の若き店主、栞子。彼らの下に集まる本と持ち主の謎を追ううちに明らかになる真実とは? 人気シリーズの第1作。本を読める幸せと、人とのつながりの素晴らしさを感じられるはず。(相川菜美さん・2年)

 

バチカン奇跡調査官 黒の学院

藤木稟著(角川ホラー文庫、885円)

 

◆学園の謎と悪魔

世界中から報告される奇跡の真偽を調査するため、バチカンから派遣される「奇跡調査官」。平賀とロベルトは「修道女に起こった処女懐胎」の調査のため、米国のあるミッションスクールへと向かう。学園で次々に起こる事件に立ち向かう2人の行く手に悪魔が……!? 人気シリーズの第1作だ。(島田咲良さん・2年)