上履き一足一足を丁寧に洗浄する吉田さんたち(本人提供)

神奈川県の高校生3人が、上履きをインドネシアの火災被災者に送るボランティアに挑戦した。

この取り組みを行ったのは、同じ高校に通う吉田日和さん、生澤美結さん、大上優さん(ともに3年)。吉田さんが「アジアに1日を100円以下で過ごす貧困地区の人々がいる」というニュースを目にして、衝撃を受けたことがきっかけだ。仲良しの2人に話したところ、「自分たちに何かできないか」と模索するようになった。

インドネシアに送付

目を付けたのが上履きだ。同校では、生徒が卒業時に上履きを校内に捨てるのが恒例になっている。高校2年生で新しく買い替える人もいて、まだ履ける上履きがたくさんある。「もったいない。何かに生かしたいと思ったんです」(吉田さん)

3人は学校を説得。今年3月、破棄される上履きのうち、きれいなものを選別して一足ずつ丁寧に洗浄した。5月、国際支援の団体を通して、インドネシアに送った。火事に遭い、家財道具を失った人々に役立ててもらったという。

一方で「一生懸命活動しても30足しか送れなかった」と歯がゆさをにじませる。「それでも意味がないとは思わない。貧困で苦しんでいる人がいることを、もっと多くの人に知ってほしい」と生澤さん。「大学では貧困や格差などの社会問題について学びたい」と前を見据える。(野村麻里子)