インターハイ陸上女子砲丸投げで優勝した大野史佳

全国高校総体(インターハイ)陸上の女子砲丸投げ決勝が7月30日にNDソフトスタジアム山形(山形県天童市)で行われ、大野史佳(埼玉・西武台2年)が14メートル83の自己ベストをマークし、初優勝を飾った。(文・小野哲史、写真・幡原裕治)

体の使い方、一から見直し成長

冬季の取り組みが、前回10位に終わっている大野をひと回り成長させた。

「体の使い方を一から見直し、下半身をしっかり動かせば、上半身のスピードも上がることがわかりました」と大野。3月に右足小指を疲労骨折し、やや出遅れた時期もあったが、5月の埼玉県大会で今季の高校ランキング1位となる14メートル42をマークし、一躍、世代トップレベルの仲間入りを果たしていた。

自身2度目のインターハイは、午前の予選から強さが際立っていた。全選手中、唯一の14メートル台となる自己ベストタイの14メートル42を投げ、悠々と決勝進出。大野は「おかしな投げになってしまいましたが、それでも14メートルを超えたことで自信になりました」と語っている。

6月の北関東大会や日本選手権では13メートル台にとどまり、安定感という面で課題を残していたが、この日は良い感触を得ながら試合に入っていけたようだ。

1投目から一気に優位 試合後は反省も

13人が争った午後の決勝でも、大野は1投目に会心の〝ビッグプット〟を披露。投じた瞬間は「行ったという感覚はなかった」と振り返ったが、自己記録を41㌢も上回る14メートル83で一気に優位に立った。以降は、ライバルの進堂りか(大阪・生野3年)が2投目に14メートル55で迫ったのが精いっぱい。他の選手は最後まで、誰ひとりとして大野の記録を上回ることはできなかった。

堂々の2年生優勝に、大野は「去年の悔しさも晴らせたし、自己ベストも出せたのでとてもうれしい」と素直に喜んだ。ただ、「2投目以降の5本のうち、あと1本でももっといい記録を出したかった」と悔しさも口にしている。その点を「1投目で記録を出した安心感が次のことを考える邪魔をし、抜かれるかもしれないという不安が体を思うように動けなくしてしまった」と自己分析したが、そうした面を今後改善できたとしたら、大台の15メートルを突破する日もそう遠くないだろう。

インターハイ陸上女子砲丸投げで優勝した大野史佳