キャプテンの保坂駿君(3年)は中学2年の時に男子新体操に出会い、「みんなで一つの作品をつくり上げる魅力」に取りつかれ、男子新体操の伝統校・前橋工業高校に進学した。

「今年は、学校の中で、男子新体操部の存在感を示したいです」と真っすぐに語る彼にとって、今年は高校生最後のシーズンとなる。前橋工業高校の男子新体操部には同じ中学からきている仲間も多く、「中高と一緒に頑張ってきた仲間たちとの集大成となる演技をしたい」と意気込んでいる。

そんな男子新体操部の顧問に今年就任したのが高橋真人監督(31)だ。同校の卒業生で、中京大学でも新体操を続けていたという高橋監督は、今年やっと母校で新体操の指導ができることになり、「自分は新体操で育ててもらったので、恩返しをしたい」と言う。前橋工業高校の新体操は「美しさ」が持ち味といわれているが、今年は力強さも加えて「やるからには1番を目指したい」と、新監督のもとで張り切っている。(文・椎名桂子、写真・小林隆子)