韓国の伝統的な家屋を見学し、京都の町家との違いを観察した(学校提供)

京都・鳥羽高校では、地方創生などをテーマに研究する1、2年生8人が、9月21日から24日まで韓国を訪れた。

京都北部の現状を再確認

2年生が取り組む「京都北部への外国人観光客の誘致と地域活性化」研究のヒントを得るため、自治体国際化協会ソウル事務所を訪問した。同事務所は、日本の魅力を韓国で発信する事業などを担っている。日本人職員から「外国人観光客を増やすためには、京都北部の現状に即したプラン作りが不可欠」とアドバイスを受けた。

吉田真尋さん(2年)は「京都北部は景色が美しく海の幸もおいしい。市内に集中しがちな観光客が北部にも足を伸ばしてくれるよう、外国語の情報発信や特産品を増やすなど、より実践的な観光戦略を考えるきっかけになった」と話した。

伝統的な街並みを比較

高層ビルが立ち並ぶソウルの都心に伝統的な家屋が残る「北村韓屋街」では、市民が住む家屋を見学した。

奥村みのりさん(1年)は、夏休みに京都で町家を利用した店舗などを調査し、伝統家屋を残すための工夫や苦労を学んできた。「同じ伝統的な家屋でも屋根の形や坂が多い街並みなど京都の町屋とは異なる点が多く、それぞれの地域で続いてきた歴史や伝統を感じた」と振り返った。

(新海美保)

2015年にSGH指定。総合的な学習の時間を活用した「イノベーション探求」などを通して、「京の智恵(ちえ)」を再発見し、世界の課題解決に挑むリーダーを育成。台湾や上海、シンガポールなどでの海外研修に力を入れている。2017年度からグローバル科を新設する。